メモリ(メモリモジュール)とは、パソコンのデータ処理の速度・PC操作の体感速度などに大きく関係するパーツです。
色々なアプリやWEBページを開いてる時に、動きがカクカクし出したらメモリが原因である事が多く、その場合、増設・交換する事でスピードアップが期待できます。しかしパソコンの動作速度は様々な要因によって早くなったり遅くなったりしてしまいます。パソコン全体の性能を確認ながらメモリの購入・増設を考えましょう!
用途別必要メモリサイズ。
パソコンでできる一般的な用途を例に用途別でまとめました。だいたいこのくらいあれば問題なし。
用途・目的 | 推奨メモリサイズ |
ネットサーフィン・YouTube・ビジネス用途・ワード・エクセル・パワーポイント・簡単な画像など | 4GBでOK! |
動画編集・高画質な画像のリペア・イラスト・製図(CAD等)・Adobe系ソフト・グラフィックが軽めのゲームなど。 | 8GB以上必要! |
オンラインゲーム全般・VR・ガチの動画作成・エンコードバリバリ・超マルチタスクする場合など。 | 16GB以上必要! |
超高画質動画の編集・4K画質でのオンラインゲームなど | 32GB以上が好ましい! |
カクカクの原因は本当にメモリ?
パソコンの動作がカクカクだったらまず交換しようと思うのがメモリだと思います。しかし本当にメモリ不足が原因なのでしょうか?簡単に調べる方法をご紹介します。
まずは動作がカクカクするシーンを再現します。ゲームだったり動画編集ソフトだったり動作が重いと感じた時と同じ条件にします。同時にWindows標準機能の『タスクマネージャー』を起動させましょう。
上部の『パフォーマンス』タブをクリックするとCPU・メモリ・ストレージ(ディスク)・ネット回線(イーサネット)・GPU(内臓・グラフィックボード)の『使用率』を調べることができます。
上記の画像では
CPU | 15% |
メモリ | 38% |
ディスク1 | 4% |
イーサネット | 0使用 |
GPU1 | 2% |
という結果ですので大した問題はありません。実際にこの記事を書いているだけの状態です。次はちょっと重いゲームを動かしてみましょう。
CPU | 57% |
メモリ | 79% |
ディスク1 | 79% |
イーサネット | 送信48Kbps受信160Kbps |
GPU1 | 98% |
重めのゲームだとこのように負荷がかかります。この場合メモリ使用率は79%です。結構高めですがまだ1.6GBの余りがあるので、16GBに置換したとしてもサクサクにはなりにくいと考えられます。
この場合はGPUがカクカクの原因です。98%とほぼ上限にぶち当たってます。
このようにパソコンがカクカクする原因は簡単にわかってしまうので原因を突き止めてから対策しましょう。対策せずにメモリを交換することは問題解決にはならないことが多いです。例えば10年前の廉価版パソコン(今では使い物にならないスペック)に32GBのメモリを搭載しても速度の改善にはなりません。
これからパソコンを自作する方は『試す』ということができませんので用途を確認して少し多めにメモリを積むといいかもしれません。
メモリ選び
今回は自作PCのパーツ選びということでこのページを制作していますのでデスクトップPC用メモリを中心に解説していきます。ノート用のメモリにも少しふれる部分もありますが、まったくの別物ですので間違えることのないようにお願いします。
デスクトップ用メモリはノートパソコンには使えません。
ノートパソコン用メモリはデスクトップには使えません。
左の長いメモリがデスクトップ用メモリ。
右の短いメモリがノートパソコン用メモリ。
まずここまでサイズが違うので間違えることはないかと思いますが念のため画像を作成しました。
ここからはパソコンを自作する際のデスクトップメモリについて紹介します。現在主流のメモリ規格は
『DDR3(旧世代)』か『DDR4(現行最新)』の2択になってくると思います。さらに前の『DDR2』世代も現存はしていますが対応するCPUがcore 2 duo世代と古すぎる(現在の軽いアプリもやや厳しいレベル)ため、自作する際には絶対に選ばないようにしましょう。
世代別対応メモリ
当ブログではよく出てくる世代別の表を見ていきましょう。1番右の『対応メモリ』というところを見ていってください。
世代 (開発コード名) 発売時期 |
マザーボード ソケット形状 |
CPUナンバー | 対応チップセット (マザー型番) |
対応メモリ |
第1世代 (Nehalem) 2008~ 2011年 |
LGA1156 | Core i7 8xx Core i5 7xx/6xx Core i3 5xx Pentium G 6xx Celeron G1101 |
Intel5シリーズ P55, H55, H57, Q57 |
DDR3 |
第2世代 (Sandy Bridge) 2011年 |
LGA1155 | Core i7 2xxx Core i5 2xxx Core i3 2xxx Pentium G8xx~G6xx Celeron G5xx~G4xx |
Intel6,7シリーズ Z77, H77, B75 Z68, P67, H67, H61 など |
DDR3 |
第3世代 (Ivy Bridge) 2012年 |
LGA1155 | Core i7 37xx Core i5 3xxx Core i3 3xxx Pentium G2100 Celeron G1600 |
Intel6,7シリーズ Z77, H77, B75 Z68, P67, H67, H61 など |
DDR3 |
第4世代 (Haswell) 新第4世代 (Haswell Refresh) 2013年 |
LGA1150 | Core i7 47xx Core i5 4xxx Core i3 4xxx Pentium G 3xxx Celeron G18xx Xeon E3 12xx |
Intel8,9シリーズ Z97, H97 Z87, H87, B85, H81 など |
DDR3 |
第5世代 (Broadwell) 2015年 |
LGA1150 | Core i7 5775C Core i5-5665C |
Intel9シリーズ Z97, H97 |
DDR3 |
第6世代 (Skylake) 2015年 |
LGA1151 | Core i7 6xxx Core i5 6xxx Core i3 6xxx Pentium G4400 Celeron G3900 |
Intel100,200シリーズ Z270, H270, B250 Z170, H170, B150, H110 など |
DDR4 DDR3 |
第7世代 (Kaby Lake) 2017年 |
LGA1151 | Core i7 7xxx Core i5 7xxx Core i3 7xxx Pentium G4600 Celeron G3950 |
Intel100,200シリーズ Z270, H270, B250 Z170, H170, B150, H110 など |
DDR4 DDR3 |
第8世代 (Coffee Lake) 2017年 |
LGA1151v2 | Core i7 8xxx Core i5 8xxx Core i3 8xxx Pentium G5600 Celeron G4920 |
Intel300シリーズ Z390, B365 Z370, H370, B360, H310,Q370 |
DDR4 |
第9世代 (Coffee Lake Refresh ) 2018年 |
LGA1151v2 | Core i9 9xxx Core i7 9xxx Core i5 9xxx |
Intel300シリーズ Z390, B365 Z370, H370, B360, H310,Q370 |
DDR4 |
世代別でみると1~7世代までは『DDR3規格』で6~9世代では『DDR4規格』のメモリが対応していることがわかります。注意が必要なのは被っている6世代と7世代です。 どちらも使えるわけではなく、どちらしか使えません。(混用不可)
6世代と7世代を選んでしまったときにどちらのメモリを使用するかは選んだマザーボードに依存します。DDR3対応なのかDDR4対応なのかを確認して購入してください。
DDR4メモリとDDR3メモリの見分け方
DDR4メモリとDDR3メモリの見分け方ですが、ノートパソコン用とデスクトップパソコン用の要領では見分けられません。並べてご覧ください。
どっちがどっちだかわかりませんよね。上が『DDR4』で下が『DDR3』です。よく見ると端子部分の切込み位置が違います。『DDR4』の端子部分は若干ですが、中心が盛り上がっているのも特徴です。
しかしぱっと見での判断は困難。そんな時はステッカーを見ましょう。
メモリの規格(DDR〇もしくはPC〇)とメモリサイズ(〇GB)が必ず明記されています。
規格の説明をしていませんでしたが。DDR3=PC3でDDR4=PC4という認識でOKです。
『DDR〇』もしくは『PC〇』という表記を見つけて確実に判別してください。