OS(Windows)・データ・写真・動画・文章・ソフトなどいろんなデータは『ストレージ』に格納されています。ひと昔前はHDD(ハードディスク)一択でしたが、現在はストレージと一言でまとめることはできなくなってきています。
速度や耐久性、使用可能時間などもストレージの種類によって変わってきます。目的や用途によって適したストレージが違うので正しく選択しましょう。また、当サイトのコンセプトでもある『安さ』にもこだわって選んでいきましょう!
ストレージの種類
- HDD
- SSD
- M.2SSD
ストレージの種類ですが、今回はこの3つを紹介していきます。2019年現在の主流がこの3つのストレージです。ここに該当しない種類もありますが、この3つ以外は特殊形状であったりマザーボードによっては使えないものがあったりと難があります。
どのパソコンでも使えるHDDとSSDを今回取り上げることにしました。
HDD
最も一般的なストレージである『HDD(ハードディスク)』です。多くはWD(ウエスタンデジタル)製でカラーによって品質、目的が変わってくるようですが、性能としてはどれもほぼ同じです。
HDDの種類
HDDには大きく分けて2種類のサイズがあります。サイズといっても容量ではなく物理的なHDD自体の大きさです。
自宅にあった外付けHDDを分解して中のHDD本体を取り出してみました。右側が2.5インチタイプ。左側が3.5インチタイプです。
違いは完全に大きさだけで性能など同じです。
ただ大きなタイプはデスクトップパソコン向けで(内部ストレージとして)ノートパソコンに入れることはできません。また、外付けでも中身はパソコンの中のHDDと全く同じものが入っているので『HDD内蔵』と表記のあるもの(パソコン、録画機器、外付けHDD、テレビなど)には必ず上画像のものが入っています。
小さい2.5インチHDDは3.5インチHDDと同容量のもので比較すると若干高価です。
動作速度
動作速度に関しては『いたって普通』です。
CrystalDiscMarkというフリーソフトで計測したHDDの動作(読み書き)速度です。読み書きどちらも165MB/sです。後ほどSSDの測定も乗っけますので軽く覚えておいてください。
Seq Q32T1 | シーケンシャルアクセス、マルチキュー(32個)&シングルスレッド(1つ)、ブロックサイズ128KiB |
4KiB Q8T8 | ランダムアクセス、マルチキュー(8個)&マルチスレッド(8つ)、ブロックサイズ4KiB |
4KiB Q32T1 | ランダムアクセス、マルチキュー(8個)&シングルスレッド(1つ)、ブロックサイズ4KiB |
4KiB Q1T1 | ランダムアクセス、シングルキュー(1個)&シングルスレッド(1つ)、ブロックサイズ4KiB |
各スコアは1秒間に〇〇MBの読み込み/書き込みの速度を測定しています。
1MB = 1000KB = 1000x1000B
耐久面
HDDの内部は文字通りハードディスク(固い盤)は入っており、磁気によってデータを書きこむ仕組みとなっています。よって重く、衝撃に弱いです。また、中でディスクが高速回転しているので埃などの混入で簡単に故障してしまいます。HDDは完全密閉された精密機械です。
耐久面はお世辞にも強いとは言えません。
使用可能時間に関しては『約20,000時間』と言われています。これは厳密に20,000時間で壊れるわけではなく目安です。過去最高で僕は70,000時間を突破して使用されたHDDを見たことはありますが、特に問題はありませんでした。
20000時間を突破したら交換をお勧めします。
SSD
SSD(ソリッドステートドライブ)はHDDの上位互換で超高速です。とにかく高速です。昔のパソコンのHDDをSSDに交換するだけで動作自体は最新のパソコンと大差なくなるってくらいに速くなちゃいます。
動作速度
同じくCrystalDiscMarkで計測
Seq Q32T1 | シーケンシャルアクセス、マルチキュー(32個)&シングルスレッド(1つ)、ブロックサイズ128KiB |
4KiB Q8T8 | ランダムアクセス、マルチキュー(8個)&マルチスレッド(8つ)、ブロックサイズ4KiB |
4KiB Q32T1 | ランダムアクセス、マルチキュー(8個)&シングルスレッド(1つ)、ブロックサイズ4KiB |
4KiB Q1T1 | ランダムアクセス、シングルキュー(1個)&シングルスレッド(1つ)、ブロックサイズ4KiB |
読み込み速度が542MB/s
書き込み速度が474MB/s
書き込み速度、読み込み速度共にHDDの3~4倍のスピードが見込めます。
ランダムアクセススピードが非常に速く、小さな容量のファイルまたはアプリケーションを立ち上げるとき
体感で速さの向上を感じることが出来ます。
並べるとこんな感じです。(←SSD・HDD→)
単純な読み書きが3倍~4倍でランダムアクセス項目が150倍くらいになっているのがわかるかと思います。OSやソフト起動の速度がHDDと比べて超高速になるのでストレスフリーですよね。最高です。
耐久性
耐久面でもHDDの問題点を見事に改善しています。SSDは内部に可動部がないので物理破損がほとんどありません。加えて動作音、動作時の振動は全くありません。
HDDの故障原因はディスク・磁気プラッタ・基盤のどこかが故障すれば故障となってしまいますが、SSDの構造は基板1枚なので衝撃に強いです。(強いですが精密機械に変わりないので大切に扱ってください。)
耐衝撃構造で設計されているモデルも存在するようなのでHDDに比べ抜群に強いです。
僕の経験上SSDの故障はありません。HDDに関しては4回の故障経験があります。
TBW(Total Byte Written)
SSDの寿命は稼働時間ではなく『総書き込み量』となっています。一般的には容量の500倍前後となっている場合が多いです。またこれもあくまで目安で600倍を超えても元気なSSDがほとんどです。
SSDに書き込み可能なデータ容量をTBWと呼びます。これは耐久性を示す指標で、SSDの寿命を知るためにも使えます。
一部の製品には、仕様書にTBWが明記されている製品もあり、数値が大きいほど、書き込み可能回数が多く、寿命が長いと考えられます。高級SSDやゲーミング仕様のSSDは公式TBWが大きい傾向にあります。
以下Crucial製のSSDの公式TBWです。
製品名 | Crucial MX500 250GB SATA 2.5" 7mm SSD | Crucial MX500 500GB SATA 2.5" 7mm SSD |
---|---|---|
耐久性 | 総書込容量(TBW)100TB (1日当たり54GBの書込を5年間行った場合に相当) |
総書込容量(TBW)180TB360 (1日当たり98GBの書込を5年間行った場合に相当) |
Crucial MX500 250GBとCrucial MX500 500GBはSSD紹介トップでも使用したこの画像の製品です。
信頼のメーカー製ですが、アマゾンではいつも売れ筋トップの製品です。何よりも安くてありがたいです。
製品名(容量) | Crucial MX500 250GB | Crucial MX500 500GB |
TBW | 100TB(100,000GB) | 180TB(180,000GB) |
容量のX倍 | 容量の400倍 | 容量の360倍 |
公式TBWはこんな感じで400倍と360倍でした。この数字に近づいたら交換をお勧めといったところですが、実際はこんなに使う前にパソコンのほかの部分がイカレテしまいます。
HDD・SSDの比較
SSDとHDDのメリット・デメリットの比較です。今回の比較対象は普通にSATA接続した普通のSSDとHDDです。M.2などの特殊SSDやSSHDではないのでご注意ください!
僕的な判断で、良い・イマイチ・悪い、という判断でリストを作ってみました。
比較内容 | SSD(SATA接続) | HDD(SATA接続) |
OS起動速度 | 超高速 | もっさり |
読み書き速度 | 速い(約500MB/s) | 遅い(約100~150MB/s) |
消費電力 (読み書き時) |
2.2 ~ 3.2 W | 6.0 ~ 8.0 W |
消費電力 (アイドル時) |
ほぼゼロ | 3.0 ~ 5.4 W (アイドル時でも一定の消費電力) |
動作音 | なし | ディスク回転音あり |
振動 | なし | ディスク回転時の振動あり |
動作温度 | 55℃前後 | 40℃前後 |
耐衝撃 | 多少の衝撃には余裕で耐える | 強い衝撃には注意が必要 |
容量当たりの値段 | 高い(1GB当たり14~20円前後) | 安い(1GB当たり2~5円前後) |
データの信頼性 | 普通 劣化(TBW限界)でデータ破損の可能性 |
信頼度は高い 書き込み制限(TBW)なし |
端子比較
上から
2.5インチSSD
2.5インチHDD
3.5インチHDD
となっていますが、端子はどれも同じです。SATAという端子で共通なので『SSDは高速だからつけ方も特殊なんじゃないの?』というようなことはありません。
サイズが違っても端子は同じです。
SSDとHDDの用途
こんな感じ(前項のリスト)でSSDとHDDを比較してみましたが、この比較結果から適正用途を探ってみましょう。
メインストレージ
まずは何を言おう動作速度です。OS起動時などのシステム関連は早ければ早いほどありがたいです。よってWindowsを格納するメインストレージはSSDが好ましいですね。現在(2019年現在)のWindows10のOS容量が30GBほどなので120GBのSSDをメインストレージにしておけば問題なし!
120GBでは不安という人は250GBや500GBのものを採用するもよしです。
流石に1TB(1,000BG)SSDは必要ないと思いますが、ストレージをサブメインで分けない場合は大容量で構いません、お財布との相談になってきます。
サブストレージ
データ送信(データ保管)では速度は遅くても早くてもそこまで支障はありません。またSSDデータ保管用にすると書き換えが多くなってしまうのでTBWが気になってしまいます。(個人的意見です。)
よってサブストレージとしてはデータ信頼度の高いHDDがお勧めです。かなり安いですしね。
僕の場合
そんな僕のPCはこんな感じになっています。
まだ組んで間もないPCなので全然使っていませんがメインはSSD240GBでサブがHDD2TB(2,000GB)×2本です。
240GB+4,000GB(4TB)という構成ですが、2TBのHDDには同一のデータが常時保管されるようにMIRROR(ミラー)設定がしてあります。よって実質的には240GB+2,000GB(2TB)となっています。
ミラー設定とは、どちらかのHDDが故障してしまった場合なら確実にデータが消えないという保険的な意味を持たせた設定です。顧客情報などが消えてしまっては困りますからね。
また反響があれば記事にてご紹介します!
こんな感じでストレージも使い分けていくと満足のいく価格で高性能を発揮するPCを作ることができます。また、HDDからSSDへの交換で、ちょっと昔のノートパソコンを生き返らせることができるので、このページの内容を覚えておきましょう!