仕事柄デスクトップパソコンをよく使うんですけど、外出時のノートパソコンもかかすことはできません。
当サイトはデスクトップパソコンの作り方(組み立て方)を解説していますが、ノートパソコンのカスタマイズについてはほとんど触れてきませんでした。
触れてこなかったというというよりも、触れる必要がありませんでした。厳密にいうとカスタマイズ(パーツ交換)可能な部分が少ないんです。
でも、ノートパソコンを使っている人のほうが多いのが現状で、その性能に満足している人が少ないのも現状です。そんな人の助けになればと思い当ページを作成しました。
ノートパソコンの拡張性
ノートパソコンの拡張性についてですがデスクトップ(箱型)パソコンとは全く違います。
詳しくはここのページ↓で解説済みですが、特性が全く違います。
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ノートパソコンとデスクトップパソコンの値段や違いは?メリット・デメリットを全部解説します!
デスクトップ?ノートパソコン? どちらが良いの? こんなことを思った方多いのではないでしょうか? パソコンには主に『デスクトップ(箱)型』と『ノート(薄)型』の2種類に分かることができます。 どちらにもメリットデメリットがあり、用途によって購入するパソコンの形状が変わることもあります。単なる形状の違 ...
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パソコンは数多くのパーツからできています。
ノートパソコンの構成パーツ
- CPU(プロセッサー)
- CPUクーラー
- メモリ(RAM)
- ストレージ(ROM・記憶装置)
- マザーボード(メイン基板)
- 電源
- ケース(外装)
- ディスプレイ
- マウス
- キーボード
- 光学ドライブ
- スピーカー
ざっと出しただけでもこんなに多くのパーツがあります。これらはノートパソコンとデスクトップパソコンに関係なく、どちらにも必ず必要になるパーツたちです。
1から自分で組み立てることは不可能で、ほぼ100%の個体がメーカーで製造(組み立て)されてユーザーの手元にやってきます。ほとんどのパーツがそのパソコンだけのオーダーメイド品です。違う型番のノートパソコンでパーツ同士の互換性はありません。
交換可能パーツ
ノートパソコンのパーツ交換可能な部分は以下の色が変わっている部分のみです。
ノートPCの交換可能パーツ
- CPU(プロセッサー)
- CPUクーラー
- メモリ(RAM)
- ストレージ(ROM・記憶装置)
- マザーボード(メイン基板)
- 電源
- ケース(外装)
- ディスプレイ
- マウス
- キーボード
- 光学ドライブ
- スピーカー
ノートパソコンの拡張性はほぼ無いといえます。
それでもノートパソコンの性能を上げたい!
『それでもノートパソコンの性能を上げたい!』
そんな方のためにこのページを作成しました。ご安心ください。
今回はSONYの『VAIO VPCF118FJ/W』という2010年 1月23日に発売された当時のハイエンドだったノートパソコンをカスタマイズして2020年の今でも普通に使えるようにしていきましょう。
余談ではありますが、このパソコン『B-CASカード』なんかも入っていて、単体でテレビが見られる優れものなんです。
僕の部屋に転がっていたのはこちら。↓
手が当たるところの塗装が剥げてしまっていて外観は少し残念です。
今回は、カスタムできるところをすべてお見せして、CPUの発熱が異常なのでCPUグリスを塗り替えます。
早速分解していきます
分解スキルと言っても、ねじ穴をなめない(つぶさない)、外したパーツネジは元の場所に戻すといったように基本的なことなのでご安心ください。
また、交換する部分、メーカーによっては『保証が消える』という可能性があるので、分解、カスタムは完全自己責任でお願いします。
バッテリーを外す。
まずはお決まりですが、1番はじめにバッテリーを外してください。バッテリーを外した後に10秒間ほど電源を長押しして、パソコンを完全放電状態にします。
デスクトップでも、ノートでも、ゲーム機でもなんでも分解前は必ず電源を外してください。
特にパソコンは精密機器なので、ドライバーが基盤に触れてショートしただけでも起動不可となってしまう場合があります。
剥がせそうな裏蓋をはぐっていく
パソコンを裏面にして剥がせそうなカバーをはぐっていきます。小さいものからはがしていきます。
小さい蓋を剥がし終えたらこの機種はこんな感じになります。
真ん中の正方形の穴にはメモリ(RAM)が刺さっています。その横には普通のパソコンにはないB-CASカード。一番下は2.5インチHDDかSSDが入ります。
このパソコンはHDDを抜き取ってあるので、今は何も入っていません。
このパソコンを作るときに抜き取って流用しました。↓
https://www.digigaze.com/celeron-g1840-de-gaming/
今回はCPUもお見せするので、まだまだ分解していきます。メモリとHDD(SSD)を交換する場合はここまでの分解で止めても大丈夫です。
裏蓋を剥がす
信じられないくらいの数のネジを外すと裏蓋がはがれます。
分かりにくい構造ですが、右上のCPUファン(扇風機みたいなところ)から伸びているヒートパイプ(10円玉と同じ色の鉄筋)の先端にCPUが入っています。
CPUクーラーとヒートパイプを外しました。
右がGPU(映像出力コア)で左がCPUです。
CPUグリスは石みたいになってました。これでは熱が伝導しません。パソコンが熱暴走で起動しても落ちてしまうのは間違いなくこの石化したグリスが原因だと思います。
手に取ってみると『想像以上の石感』が伝わるかと思います。
これをすべて取って新しいグリスに塗り替えます。
ヒートシンクはマイナスドライバーでゴリゴリした後に洗剤で洗浄しました。
CPUはマイナスドライバーでガリガリすることはできません。CPUダイと呼ばれるガラス質の部分に傷がついたり、欠けてしまうと壊れてしまうので、プラスチック製のヘラとパーツクリーナーでふき取りました。
こちらは隣のGPUダイですが、同様に清掃しました。
NVIDIAの文字があるのでしっかりとしたGPUで間違いなさそうです。
新しいグリスに塗り替えて元通り戻しておきます。
これでCPU周りのメンテナンスは完了です。
ブレブレですがこれがノートパソコンのCPU。
ノートパソコンでもCPUの交換は(一応)可能です。
ノートパソコンのCPUの交換は難易度が高いのでお勧めしませんが、こちらでやり方だけは解説しています。↓
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ノートパソコンのCPU交換は現実的ではないと言われる理由を解説。はんだ付けの場合は交換不可。
別のページではノートパソコンの現実的なカスタマイズを紹介していますが、このページの内容はかなりマニアックでコアな方向けのページになってます。 基本的にノートパソコンのCPUが低スペックで動作が遅いような状態だと、パソコン玄人であってもカスタマイズは避けて買い替えを検討するケースがほとんどだと思います ...
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今回CPUは交換しないのでこのまま戻していきます。
先ほどのこの状態まで戻すことができたら、メモリを交換していきます。
メモリ交換
今回は2GB×2枚から4GB×2枚に変更します。最大搭載枚数が2枚なので、もとあったメモリは使わずに2枚とも新調しました。
青色が2GBメモリで緑色が4GBメモリです。
ノートパソコン用のメモリは両サイドのロック(銀色のレバー)をメモリと反対側に引っ張るとメモリが斜めに持ち上がります。この状態で抜き取ることができます。
新旧のメモリです。サイズは全く同じでPC3(DDR3)という規格です。
はめ込むときにはメモリに30度くらいの角度をつけて挿します。
奥まで刺さるとマザーボードと並行まで押し込むことができます。
2枚とも同じ要領で差し込めたらメモリ交換の完了です。
HDDをSSDに交換
今回はHDDは抜き取ってしまっていたので元からありません。交換作業は省きますが、新規でSSDを取り付けました。
基本的には基盤にストレージを取り付ける(差し込むだけ)だけです。2.5インチのストレージは電源接続の必要はなく、電源とデータ通信用のソケットと一緒になっているので間違えることはないかと思います。
ストレージを装着すればOSを新規インストール。リカバリーディスクからメーカーOSをインストールすることができます。
本体にストレージを差し込んだだけでは『パソコン』として使うことはできません。OSをパソコンのストレージにインストールして初めてWindowsを使うことができます。
OSをインストールする方法はざっくりと分けてこの4パターンの方法があります。
OSインストールの種類
- 新規Windowsをインストール(クリーンインストール)
- リカバリーディスクからのメーカーOSをインストール(製品出荷時に戻す)
- 元あったHDDのデータ(OS含む)を完全コピーする(HDDかSSDのクローンを作る)
- Windows以外(リナクス等)をインストールする
この方法でPCとして再び復活させることができます。
OSのインストール方法によって若干の違いが出てきます。その点については後日追記します。
HDDからSSDに交換でき、OSをインストールできればカスタマイズの完了です。