パソコンやスマートフォンで使うUSBケーブルやThunderboltケーブルを選ぶとき、規格名や転送速度の違いが分かりにくいと感じることはありませんか。USB 3.0、USB 3.1 Gen 1、USB4など似たような名前が並び、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いと思います。
また、Type-C端子だからといって必ずしも高速だったり映像出力ができるとは限らず、購入したケーブルが期待した速度や機能に対応していなかったという経験をした人もいるかもしれません。
この記事では、USB 1.0から最新のUSB4 Version 2.0まで、さらにThunderbolt 1から5までの全規格を整理し、転送速度・端子形状・互換性の違いを分かりやすく解説します。自分の機器がどの規格に対応しているかを確認する方法も紹介するので、ケーブルや周辺機器を選ぶときの参考にしてください。
このページで分かること
- USB規格とThunderbolt規格の転送速度と違い
- 端子形状(Type-A/B/C)ごとの対応規格
- Type-C端子でも速度が異なる理由と注意点
USBとThunderboltの規格と転送速度の比較
USBとThunderboltは、どちらもパソコンと周辺機器をつなぐための接続規格ですが、それぞれ異なる歴史と目的を持っています。USBは幅広い機器に対応する汎用規格として発展してきた一方で、Thunderboltは高速なデータ転送や映像出力を重視した規格として登場しました。
近年ではどちらもType-C端子を採用するようになり、見た目だけでは区別がつきにくくなっています。そのため、規格ごとの転送速度や特徴を理解しておくことが、適切な機器選びには欠かせません。
ここでは、USBとThunderboltそれぞれの規格を整理し、転送速度や互換性の違いを解説します。
USB規格の種類と転送速度一覧
USB規格は1996年のUSB 1.0登場以来、何度も改良が重ねられ、転送速度が大幅に向上してきました。ただし、規格名の変更や別名が多く存在するため、同じ速度でも複数の呼び方があることに注意が必要です。
以下の表で、USB規格ごとの転送速度と別名を整理しました。
| 規格名 | 最大転送速度 | 旧称・別名 | 存在する接続端子 |
|---|---|---|---|
| USB 1.0 | 1.5Mbps | — | |
| USB 1.1 | 12Mbps | — | Type-A / B, Mini-B |
| USB 2.0 | 480Mbps | — | Type-A / B, Mini-B, Micro-B, Type-C |
| USB 3.2 Gen 1 | 5Gbps | USB 3.0 / 3.1 Gen 1 | Type-A / B, Micro-B, Type-C |
| USB 3.2 Gen 2 | 10Gbps | USB 3.1 Gen 2 | Type-A / B, Micro-B, Type-C |
| USB 3.2 Gen 2×2 | 20Gbps | — | Type-C |
| USB4 Gen 2×2 | 20Gbps | — | Type-C |
| USB4 Gen 3×2 | 40Gbps | — | Type-C |
| USB4 Version 2.0 | 80Gbps / 120Gbps | — | Type-C |
USB 3.0以降は、規格の改定時に過去のバージョンが別名として扱われるようになったため、「USB 3.0」と「USB 3.1 Gen 1」は同じ5Gbpsの規格を指します。製品のパッケージや仕様書では、どちらの表記も使われているため、転送速度で判断するのが確実です。
また、USB4以降はType-C端子専用となり、従来のType-A端子では使用できません。USB4は20Gbpsと40Gbpsの2つの速度モードがあります。
さらに最新のUSB4 Version 2.0では、通常は双方向80Gbpsですが、高解像度モニターへの接続時など帯域が必要な場合には、片方向最大120Gbpsまで速度を引き上げるモード(非対称転送)にも対応しています。
| 規格名 | 転送速度 | 端子形状 |
|---|---|---|
| Thunderbolt 1 | 10Gbps(双方向) | Mini DisplayPort |
| Thunderbolt 2 | 20Gbps(双方向) | Mini DisplayPort |
| Thunderbolt 3 | 40Gbps | USB Type-C |
| Thunderbolt 4 | 40Gbps | USB Type-C |
| Thunderbolt 5 | 80Gbps / 120Gbps | USB Type-C |
Thunderbolt 3からは端子形状がType-Cに統一され、USB規格との互換性も高まりました。Thunderbolt 4はThunderbolt 3と同じ40Gbpsですが、最低限の性能基準が厳格化され、4K映像出力の対応が必須となっています。
最新のThunderbolt 5は、通常は双方向80Gbpsですが、高解像度モニター接続時には送信のみ120Gbpsまで引き上げる『Bandwidth Boost』機能を搭載しています。
USBとThunderboltの機能面の違い
USBとThunderboltは、データ転送や電力供給が可能ですが、「端子の形状」と「対応規格」の組み合わせによって、できることが大きく異なります。
特に注意が必要なのは、同じ「Type-C」形状でも、Thunderbolt対応のものと、そうでない通常のUSB規格のものが存在する点です。
以下の表で、端子形状ごとの機能の違い(規格上の最大性能)を整理しました。
| 機能 | USB 2.0 (Type-A) |
USB 3.x (Type-A) |
USB (Type-C) |
Thunderbolt (Type-C) |
|---|---|---|---|---|
| データ転送 | 低速 (480Mbps) |
高速 (5Gbps~) |
高速 (5Gbps~) |
超高速 (40Gbps~) |
| 映像出力 | 非対応 | 非対応 | 対応 (Alt Mode要確認) |
標準で対応 (複数画面可) |
| 電力供給 | 小電力 (2.5W) |
小電力 (4.5W) |
大電力対応 (PD対応時) |
大電力対応 (100W~) |
| デイジーチェーン | 非対応 | 非対応 | 基本非対応 | 対応 |
| PCIe接続 | 非対応 | 非対応 | 一部対応 (USB4のみ) |
対応 (GPU等) |
| 価格帯 | 最安 | 安価 | 中価格 | 高価 |
※表内の数値は各規格の理論上の最大値です。実際の転送速度や充電速度は、接続するパソコン・ケーブル・周辺機器のすべてがその規格に対応している必要があります。
※「USB (Type-C)」は製品によって仕様が異なり、「充電専用」や「映像出力非対応」のケーブルも存在するためご注意ください。
Thunderboltの最大の特徴は、「全部入り」である点です。Type-C形状のUSBと見た目は同じですが、Thunderboltなら映像出力や高速転送が**標準で保証**されています。
一方、通常のUSB Type-Cは、機器によって「充電専用」「データ転送のみ(映像不可)」など機能がバラバラな場合があります。Type-C製品を選ぶ際は、「Alt Mode(映像出力)対応」や「USB PD(急速充電)対応」の表記があるか確認が必要ですが、Thunderboltを選べばそれらの悩みから解放されます。
USBとThunderboltの互換性について
ThunderboltポートはUSB機器との互換性があり、ThunderboltポートにUSBケーブルや機器を接続しても問題なく動作します。ただし、この場合の転送速度はUSB規格に準じた速度になります。
逆に、USB Type-CポートにThunderbolt機器を接続した場合、ポート側がThunderboltに対応していなければThunderbolt機能は使えず、USB接続として認識されます。
互換性を理解するうえで押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
互換性で注意すべきポイント
- Thunderboltポート → USB機器の接続は可能
↳ 転送速度はUSB規格に従う - USBポート → Thunderbolt機器の接続は動作するがThunderbolt機能は使えない
↳ USB接続として認識される - 転送速度は接続する機器の低い方の規格に制限される
↳ USB4対応PCとUSB 3.0対応外付けHDDを接続した場合、速度は5Gbpsになる
このように、端子形状が同じType-Cであっても、ポートや機器が対応している規格によって実際の性能は大きく変わります。購入前には、接続する機器同士の規格を確認し、期待する速度が得られるかどうかを事前に検討しておくと安心です。
端子形状(コネクタタイプ)の種類と対応規格
USBやThunderboltの規格を理解するうえで、端子形状(コネクタタイプ)の違いも重要な要素です。同じUSB規格でも、端子の形状によって対応できる速度や機能が異なる場合があります。
特にType-C端子は見た目がシンプルで統一されているため、見ただけでは対応規格や転送速度が判断できません。ここでは、主要な端子形状の特徴と、それぞれが対応する規格について整理します。
Type-A、Type-B、Type-Cなど主要端子の特徴
USB端子にはいくつかの形状があり、それぞれ用途や対応規格が異なります。端子形状と通信規格は別々の概念であり、同じ形状でも内部の規格が違えば速度も変わることを理解しておきましょう。
代表的な端子形状と対応規格を以下の表にまとめました。
| 端子形状 | 対応可能な規格 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Type-A | USB 1.0~USB 3.2 | パソコン本体側のポート、USBメモリなど |
| Type-B | USB 1.0~USB 3.2 | プリンターや外付けHDDなど機器側 |
| Type-C | USB 2.0~USB4 Version 2.0 Thunderbolt 3~5 |
最新のパソコン、スマートフォン、周辺機器 |
| Micro-B | USB 2.0~USB 3.0 | 古いスマートフォン、デジタルカメラなど |
| Mini-B | USB 2.0 | 古いデジタルカメラ、携帯音楽プレーヤーなど |
Type-A端子は、従来から広く使われている長方形の端子で、パソコン本体のポートやUSBメモリに多く採用されています。USB 3.0以降のType-Aポートは内部が青色になっていることが多く、見た目で高速対応を判断できる場合もあります。
Type-B端子は主に周辺機器側に使われる端子で、プリンターや外付けHDDなどに見られます。USB 3.0対応のType-B端子は形状が少し異なり、上部に突起が追加されています。
Type-C端子は上下の区別がなく、どちら向きでも挿せる設計になっており、最新のパソコンやスマートフォンで標準となっています。ただし、Type-C端子だからといって必ずしも高速対応とは限らないため、次の項目で詳しく解説します。
Type-C端子なのに速度が遅い理由と注意点
Type-C端子は見た目が統一されているため、すべて同じ性能だと思われがちですが、実際にはUSB 2.0(480Mbps)からUSB4 Version 2.0(80Gbps)まで、幅広い規格に対応しているのが現状です。
端子形状が同じでも、内部で対応している規格が異なれば、転送速度や充電速度も大きく変わります。
Type-C端子で速度が遅くなる主な原因
- ケーブル自体がUSB 2.0規格にしか対応していない
↳ 充電専用ケーブルの場合もある - 接続する機器の一方または両方が低速規格にしか対応していない
↳ パソコン側がUSB4対応でも、外付けHDDがUSB 3.0なら5Gbpsになる - ケーブルの品質が低く、規格上の速度が出ない
↳ 安価な製品では仕様通りの性能が得られない場合もある
Type-Cケーブルや機器を購入する際は、製品のパッケージや仕様書で対応規格を必ず確認しましょう。「USB 3.2 Gen 2対応」「USB4対応」「Thunderbolt 4対応」などの表記があれば、その規格の速度で動作します。
特に注意したいのが、充電専用として販売されているType-Cケーブルです。これらはデータ転送に対応していない場合があり、接続しても認識されないことがあります。データ転送が必要な場合は、データ転送対応と明記された製品を選んでください。
Thunderbolt対応ポートの見分け方
ThunderboltポートとUSB Type-Cポートは見た目がまったく同じであるため、外観だけでは区別がつきません。ただし、Thunderbolt対応ポートには稲妻マーク(⚡)が刻印されていることが多いため、これを目印に判断できます。
Thunderboltポートを見分けるためのポイントは以下のとおりです。
Thunderboltポートの確認方法
- ポート付近に稲妻マーク(⚡)があるか確認する
↳ Thunderbolt対応ポートには稲妻マークが刻印されている - ポート横に「SS」や「USB」の表記がある場合はUSBポート
↳ 「SS」はSuperSpeed(USB 3.0以降)を示す - メーカーの製品仕様書で確認する
↳ 型番で検索し、公式サイトの仕様表を確認すると確実
一部のパソコンでは、ThunderboltポートとUSB Type-Cポートが混在している場合もあります。たとえば、4つのType-Cポートのうち2つだけがThunderbolt対応、残り2つは通常のUSBポートという構成も珍しくありません。
Thunderbolt対応ポートであれば、USB機器も問題なく接続できますが、USB専用ポートにThunderbolt機器を接続してもThunderbolt機能は使えません。高速なデータ転送や映像出力を必要とする場合は、稲妻マークのあるポートを使用しましょう。
まとめ|適切な規格選びでトラブルを回避しよう
USBとThunderboltの規格は複雑ですが、転送速度と端子形状の関係を理解しておけば、ケーブルや周辺機器を選ぶときの判断がしやすくなります。Type-C端子だからといって必ずしも高速対応とは限らないため、購入前には必ず対応規格を確認しましょう。
自分の機器がどの規格に対応しているかを把握しておけば、「買ったのに速度が出ない」「接続できない」といったトラブルを避けられます。Windows11の設定アプリやポートの表記を活用して、適切な規格の製品を選んでください。
