自宅のネット回線に関してのお悩みを抱えている方、とても多く感じます。昔の僕も自宅のインターネット環境を本気で考えるようになるまでは「光回線っていうのは速いらしいぞ!」くらいの知識しかなかったのを今でも覚えています。
- 自宅のネット回線が遅い。
- ゲームをする時に遅延が大きい。
- モバイル回線(スマホ)でいいのでは?
- 回線業者やプロバイダはどこを選んだらいいの?
- ルーターやLANケーブルの選び方のポイントは?
- 引っ越しに合わせて契約したいけど分からない事だらけ…
こんな悩みや疑問を持った方がとても多いのですが、それもそのはず。
インターネット回線、難しすぎるんじゃ!
回線業者やプロバイダ、モデムやルーター、Wi-FiにLANケーブル、〇Gbpsや〇〇Mbpsなどの回線速度、IEEE 802.11acなどルーターの規格など、とにかく覚えることがたくさんありすぎて何をしていいいか分からない状態になってしまうような分野であることは間違いありません。
このページでは、回線の契約からご自宅に置かなければいけない機器の選び方や見分け方などをインターネット回線が使えるようになるまでの仕組みと共に解説しています。インターネット回線は「水の流れ」と同じように考えることができ、回線が自宅に届くまでのどこか1つの選択を失敗しただけで大きな速度低下の原因となります。
全てを覚えておく必要はありませんが、回線の契約をする時やルーターを選ぶ時などにこのページを見ながら思い出していただくだけで失敗することも少なくなるはずです。苦手意識を持たずに1個づつ分からない部分を解決していきましょう。
お願い
このページはインターネットやパソコンに苦手意識を持っている方に向けて作成したものとなります。分かりにくい表現や理解できなかった部分などがありましたら当サイトのお問い合わせや記事最下部のコメントよりメッセージを頂けると嬉しいです。
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インターネット回線が使えるようになるまでの流れ
まず、「インターネット回線がお手持ちのパソコンやスマートフォンで使えるまでの流れ」を知る必要があります。インターネット回線を速くしたいと言うのは簡単ですが、お使いの端末にネットが届くまでの道筋でどこに原因があるのかが分からなければ解決することができません。現段階で回線速度が遅いという方でもどこか1つを改善するだけで速度を大きく変えることができるかもしれません。
簡単ではありますが、流れをできるだけイメージしていただけるよう図を作ってみました。
自宅で光回線を使ってインターネットを利用するまでの流れとしてはこのようになっています。
ネットが使えるようになるまでの簡単な流れ
- プロバイダが提供するネット回線を回線業者が各家庭に光ケーブルで供給。
- 自宅にて光ケーブルから伝る「光信号」を受信。
- 「ONU」が受け取った光信号パソコンなどで使用できる「デジタル信号」に変換。
- 変換されたデジタル信号を「ルーター」が各デバイスに供給。
- ルーターからLANケーブルで直接送受信する場合は「有線接続」と呼びます。
- ルーターからLANケーブルなどをつながない無線接続を「Wi-Fi」と呼びます。
一般的な「光回線」と呼ばれるものはこのような流れでネット接続を行っています。箇条書きの「ネットが使えるようになるまでの簡単な流れ」は、WEBページを閲覧したりWEB上にあるものをダウンロードしたりする場合の「下り」の順序となっていますが、メールを送信したり動画をアップロードする際の「上り」の場合は真逆の順序で回線業者まで接続されます。
用語解説「上り・下り」
インターネット回線を使ってアップロード(送信)する通信を「上り(のぼり)」、ダウンロード(受信)する通信を「下り(くだり)」と呼びます。光回線だけでなく、スマートフォンなどでのモバイル回線などでの同じ表現を使うので覚えておきましょう。
ここまでの解説でお手持ちの端末(パソコンやスマートフォンなど)で光回線をつかってインターネットを利用するまでの過程を想像いただけたのではないでしょうか。ここからは回線速度に影響するものを1つづつピックアップして解説させていただきます。
回線業者とプロバイダについて
光回線を使ったインターネットを自宅で使用するためには「プロバイダ」と「回線業者」の両方と契約する必要があり、どちらか片方だけではインターネット回線を使用することができません。ここが最もわかりにくいポイントで、プロバイダと回線業者をまとめて「光回線」や「インターネット」と呼んだりしています。
光回線を利用するにあたって、プロバイダや回線業者の深い知識は必要ありませんが、参考程度に覚えておくとネット接続においての疑問を解決できるかもしれません。
回線を提供する「プロバイダ」
プロバイダは回線をインターネットに接続する役割を担う業者を差し、正式名称は「Internet Services Provider(インターネット・サービス・プロバイダ)」です。インターネットを利用者へ供給(Provide)することからこのような名前で呼ばれています。
簡単に言えば『インターネット回線の根本』です。
さらに、インターネットに接続する信号だけでなく、デバイスごとのIPアドレスの割り当てやウイルスチェック、トラフィック(アクセス)管理など、インターネットを利用するにあたってのユーザーサポートまで行っているのがプロバイダです。
主要プロバイダとサービス名称 | |
プロバイダ | 光回線サービス名 |
NTT東 / NTT西 | フレッツ光 |
NTTドコモ | ドコモ光 |
KDDI | auひかり |
ソフトバンク | SoftBank光 |
ここでは聞き馴染みがありそうな大手ケータイ(スマホ回線)3キャリアが展開する光回線のサービス名を例にしましたが、マイナーなものもすべてカウントすれば国内だけでも100以上のプロバイダが存在します。
電子機器メーカーのSONYやNEC、電力会社の北海道電力・関西電力・中国電力。中部電力・九州電力、様々なサービスを提供している楽天・DMM・GMOなどもプロバイダとしてインターネット接続サービスを事業として展開しています。
ネット接続までの回線を提供する「回線業者」
回線業者はプロバイダから提供されたインターネット(信号)を各家庭まで届けるための役割を担っている業者で、電気で例えるなら、「プロバイダ=発電所」で「回線業者=電線や電線を設置する業者」といったイメージです。
光回線でインターネット接続サービスを利用する場合、回線業者は光ケーブルを室内に通すための回線工事や後述しますONUの貸し出しなどを担当してます。
プロバイダと回線業者を一気に契約する「一体型」も
ここまで回線業者とプロバイダのそれぞれの特徴を解説しました。基本的にはそれぞれを別で契約し請求書もばらばらで届くなど少々めんどくさい形態になっているのですが、最近ではプロバイダと回線業者を一括で契約できる「プロバイダ一体型サービス(光コラボレーション)」も主流となっており、光回線の契約もシンプルで簡単なものが増えました。
コミュファ光のようにプロバイダ選択型と一体型を選べるものや、NURO 光のような一体型のみの契約など形態も様々です。
一体型のほうが契約が簡単で総合料金も安い傾向にあるので、光回線を新規で契約する場合、ほとんどの方にプロバイダ一体型プランでの契約をおすすめします。
光ケーブル・ONUについて
次にプロバイダから供給された光信号を受け取るための光ファイバーとONUについての解説です。
この2つについてはルーターの横に置かれている装置という認識だけで問題ありません。 基本的には光回線の契約時にレンタルするものでこちら側が用意する必要はなく、回線速度への影響も少ない部分なので、知識として覚えておくだけで構いません。
光ケーブルの性質や特徴
まずは光ケーブルについてです。 一般的に「ケーブル」と聞くと金属製の導線が入っていて電気信号を通すというイメージが湧きやすいですが、光ケーブルは名前の通り内部に光ファイバーが通っているケーブルとなります。
少し前の固定回線といえばADSLという電話回線を利用してインターネット通信をする方式が主流でしたが、基地局からの距離によって通信速度が左右されてしまったり外部からのノイズの影響を受けやすいという特徴がありました。一方、光回線は光の特性を利用しているため距離や外部のノイズからの影響を受けにくく、速度も格段に早い特徴があります。
しかし、光信号を送受信する「光ファイバー」の原料はプラスチックや石英ガラスでできていることが多く、急な角度で曲げると内部で光ファイバーが割れてしまい伝送損失が増加したり通信不可能となってしまう場合も考えられます。ご家庭内での光ケーブルの取り扱いには注意してください。
少し話がそれてしまいましたが2000年代前半に急速に普及したADSL回線と比較すると、光回線は距離や外的な要因で影響を受けにくい万能な固定回線と言えます。
回線の種類 | 回線の種類 | 実測での回線速度目安 | 回線速度の理論値 | おすすめ度 |
光回線 | 固定回線 | 100Mbps~2,000Mbps※1(2Gbps※1) |
1Gbps~10Gbps※1 (1,000~10,000Mbps※1) |
|
ケーブルテレビ回線 | 固定回線 | 80Mbps~100Mbps | 320Mbps | |
ADSL回線 | 固定回線 | 5Mbps~40Mbps | 48Mbps | |
モバイル回線(4G) | モバイル回線 | 30Mbps~110Mbps | 1Gbps(1,000Mbps) | |
モバイル回線(5G) | モバイル回線 | 120Mbps~400Mbps | 10Gbps(10,000Mbps) |
端末をインターネットに接続する上で光回線以外でも代表的なものをまとめてみました。現在の主流は固定回線は「光回線」、モバイル回線は「4G回線」となっています。光ケーブルの誕生で固定回線の速度はここまで進化しました。
ONU(光回線終端装置)とは
続いては「ONU(光回線終端装置)」についてです。
光回線は文字通り透明な光ファイバーを伝ってきた「光」を使った通信方式となるので、そのままの状態ではパソコンで読み取ることができません。ONU(光回線終端装置)は光ケーブル(光ファイバー)から供給された「光信号」を「デジタル信号」に変換してパソコンをインターネットにつなげる役割を担う装置です。
ONUとモデムの違い | |
ONU (光回線終端装置) |
光ケーブル(光ファイバー)から供給された「光信号」を「デジタル信号」に変換して パソコンをインターネットにつなげる役割を担う装置。(主に光回線で使用) |
モデム | 電話回線などから供給された「アナログ信号」を「デジタル信号」に変換して パソコンをインターネットにつなげる役割を担う装置。(主にADSL回線で使用) |
ONUはADSLの回線で「モデム」と呼ばれていたものが光回線版になったと考えていただければ問題ありません。また、厳密にはONUにもモデルごとの性能差がありますが、契約した回線に適したものをプロバイダから無料でレンタルできる場合がほとんどなので、自身で購入する必要もなくモデルごとの性能の知識が無くても問題はありません。
ルーターの性能やWi-Fiの規格について
冒頭で解説したように光回線(インターネット回線)の強さは水の流れに似た形で決まるので、強い回線を契約してもルーターの性能が足を引っ張ってしまうと、そこで流れをせき止めてしまいます。
Wi-Fi規格早見表 | |||
無線LAN | Wi-Fi規格 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11b | Wi-Fi 1 | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11a | Wi-Fi 2 | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11g | Wi-Fi 3 | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 300Mbps | 2.4GHz 5GHz |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 6.9Gbps (6,900Mbps) |
5GHz |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 | 9.6Gbps (9,600Mbps) |
2.4GHz 5GHz |
Wi-FiルーターやWi-Fiを受信する機器側にも規格があり、最低でも「IEEE 802.11ac」以上にそろえるのがおすすめです。特に戸建て回線の10G以上を契約している場合は、せっかく高いプランに加入しているのにWi-Fiルーターが原因で回線速度を生かし切れていない場合も多いので、ルーターは高性能なものを選びましょう。
プロバイダや回線業者からレンタルできる場合もありますが、自身でルーターを購入することでレンタル費用を抑えることもできますし、引っ越しなどでプロバイダを変更したときなどに同じルーターを使い続けることで、純粋な回線の速度を比較できるようになります。
関連:»Wi-Fiルーターの選び方とおすすめ10選!自宅用やゲーム用(低遅延モデル)を紹介!
お手持ちの端末の受信性能について
パソコンなどを有線でインターネット回線に接続する場合は、ほとんどがギガビットに対応したLANポートが搭載されているので1G回線を使用するときに速度が遅くなることは滅多にありませんが、Wi-Fiで接続する場合には、さきほども解説した規格によって上限速度が決定します。
古いパソコンやスマートフォンを使いの場合には最新の規格「Wi-Fi6(ワイファイシックス)」などに対応していないので、ルーターや回線の性能が良くても、回線速度を出し切ることができません。
Wi-Fiを受信する側の機器※(パソコンやスマホ)の場合は受信規格をアップグレードすることはできないので、速度ができらないことで困ることがあれば買い替えを検討してください。
※パソコンの一部製品は内蔵されている「LANカード」を交換することによって速度を改善させることができる機種もありますが、保証対象外かつ故障させてしまう可能性があるのでおすすめできません。
意外と軽視されがちなLANケーブルについて
パソコンやルーターを有線で接続する際に使用するLANケーブルにも規格があり、古すぎるものだとルーターと同じように回線の流れをせき止めてしまいます。LANケーブルは「カテゴリ(CAT)」という規格で分類されていて、それぞれ通せる限界の通信速度が決まっています。
カテゴリの種類 | 最大通信速度 | 伝送帯域 | 配線規格名 |
---|---|---|---|
CAT5 (カテゴリ5) |
100Mbps (0.1Gbps) |
100MHz | ANSI/TIA/EIA-568-B.1 |
CAT5e (カテゴリ5e) |
1,000Mbps (1Gbps) |
ANSI/TIA/EIA-568-B.2 | |
CAT6 (カテゴリ6) |
250MHz | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 | |
CAT6a (カテゴリ6a) |
10,000Mbps (10Gbps) |
500MHz | ANSI/TIA-568-B.2-10 |
CAT7 (カテゴリ7) |
600MHz | ISO/IEC 11801 | |
CAT7a (カテゴリ7a) |
1,000MHz | ||
CAT8 (カテゴリ8) |
40,000Mbps (40Gbps) |
2,000MHz | ANSI/TIA-568.C-2-1 |
このように最大通信速度が決まっているのですが、LANケーブルは内部に導線が通じているだけの単純な作りなので、カテゴリ5を避けることだけを意識しておけば、そこまで通信速度に影響しないものでもあります。現在販売されている多くの製品はカテゴリ5e以上の製品が多いので、適当に購入しても大きな問題には繋がりにくいです。
また、1G回線より高速な2G、3G、10G回線を契約していなければカテゴリ6a以上の規格は必要ありません。カテゴリ8ともなればケーブル単体でもかなり高額になるので、無理に高い規格を選ぶ必要もありません。もう少し先の未来で、超高速な回線環境が一般化すれば必須になるかもしれませんね。
回線に関してのよくある疑問【Q&A】
ここまではインターネット回線が使えるようになるまでの道筋を解説しましたが、ここからは少しだけインターネット回線によくある質問をQ&A形式で解説します。
光回線の工事費用は?
光回線の工事費用は平均すると15,000円~40,000円程度が相場です。回線を契約する際に「工事費無料」の案内があるプロバイダで回線を契約することで工事費を無料にすることもできるので、余計なオプション加入などがない場合は積極的に無料キャンペーンなどを利用しましょう。
無駄なオプション(ビデオオンデマンド契約など)が工事費無料条件に入っている場合、解約を忘れると工事費よりも高くついてしまうことがあるので注意です。
光回線の工事にかかる期間は?
光回線の工事にかかる期間はお住いの物件の状況によって変わります。
- マンションの場合
→共用スペースに回線導入済の場合・・・30分~1時間程度
→共用スペースに回線導入していない場合・・・契約できない場合が多い - 戸建ての場合
→1時間~2時間程度
状況によって変化する可能性ありますが、各プロバイダの工事にかかる時間はこのような範囲でした。
契約から開通までのおおよその期間はどれくらい?
どこのプロバイダか、戸建てプランとマンションプランなどで開通までの期間は様々ですが、3週間~1か月程度です。光回線工事が多い3月~5月には工事予定が込み合っていることが多く1か月~2か月ほどかかることもあるようです。
とにかく早くインターネット回線を使いたいときは、契約から開通までの期間に置き型Wi-FiやモバイルWi-Fiルーターの貸し出しを行っているプロバイダで契約することでインターネットが使えない期間をなくすことができます。
マンション(集合住宅)回線と戸建て回線の違いは?
マンションと戸建てでは光回線の工事や配線の仕組みが異なります。
マンションタイプ
- 最寄りの電柱から光ケーブルを共用スペースへ引き込む(済んでいる場合が多い)
- 共用スペースから各部屋に光ケーブルを引き込む
- 室内の壁に光コンセントを取り付ける(すでに設置済みの場合もある)
- ONUの設置・接続して工事完了
マンションタイプの場合、共用スペースから各部屋に光ケーブルを分配する形で回線を引き込むので共用回線となり月額が安いのが特徴です。共用スペースまで回線が届いている場合は各部屋に配線を分配するだけの工事となるので、工事時間も短いことが多いです。
ただ、安い代わりにマンション全体で回線の使用率が多い時間帯などには回線速度が落ちることがあるといったデメリットを抱えています。さらに、共用スペースに光回線を引き込むことができない物件の場合は光回線自体が契約できないという問題が起きることも。安い代わりに契約したいプロバイダが契約できないこともあるので、戸建てと比較して自由度が少ないです。
戸建てタイプ
- 最寄りの電柱から光ケーブルを引き込む
- 電話用配管やエアコン用配管から室内へ引き込む
- 室内の壁に光コンセントを取り付ける
- ONUの設置・接続して工事完了
戸建て回線は1つの回線を1つの家で占有できるため、回線速度が安定しやすい特徴があります。また、工事は最寄りの電柱から引き込むところからスタートするため工事時間が少し長いことも特徴です。
賃貸の場合は光回線を引き込むときに、大家さんや管理会社の許可、打ち合わせが必要になるケースもありますが、戸建ての場合は大きな問題にはなりにくいことが多いです。
戸建てタイプとマンションタイプではどれくらい速度が変わる?
戸建てタイプとマンションタイプで同じ1G回線を契約すれば基本的には同じ回線速度となりますが、マンションタイプでは回線が共用となっていることが多く、共有している各家庭での使用率が高い時間帯(17時から20時など)に速度が低下する可能性などが考えられます。
マンションにお住まいでも、マンションオーナーの許可を得ることができれば戸建てプランの契約が可能な場合があります。
光回線の1Gとか10Gって何が違う?
このページでもたびたび登場している「1G回線」や「10G回線」という言葉ですが、これは回線そのものの速度で、単位の「G」というのは「ギガビット(Gigabit)」の略称です。光回線のスタンダートは1ギガビットの通信を可能とする「1G回線」です。
上位の回線を提供しているプロバイダでは倍の速度となる「2G回線」や普通の光回線と比較して10倍の速度を出せる「10G回線」などがありますが、現在は受信機器側が対応していない場合が多いため、上位回線を契約しなくても良い場合がほとんどです。
自分が使っているパソコンに10ギガビットLANポートがついていて、大容量のデータ(動画データなど)を送受信することが日常化している状況でない限りは上位回線の契約の必要はありません。
ゲームでよく聞く「遅延」ってなに?
インターネット回線の中でゲームをする方などにとって重要なのが「遅延」ではありますが、これも水の流れで例えるとわかりやすいかもしれません。
時間あたりの通信量( 1G・10Gなど)=水道管の太さ(時間あたりの水の量)
遅延の無さ=水圧の強さ
こんな感じのイメージです。
リアルタイムで1,000分の1秒を争うプロのプレイヤーにとっては、時間あたりの通信量という通信速度よりも、少ないデータ量であってもサーバーと瞬時につながれる通信速度のほうが重要となります。一般的にリアルタイムの対人ゲーム(FPSなど)をプレイする場合Ping値で表され鵜事が多く、100ms(1,000分の100秒=0.1秒)以上の遅延があると快適にプレイできないと言われています。(Ping=ms(ミリ秒))
データやファイルを送受信したり、YouTubeの動画を視聴する分には遅延の大小は体感できないレベルの遅れとなるので、基本的にゲームをプレイしない方は気にしなくても大丈夫。
地域によって契約できない回線とできる回線がある?
建物の状況や立地によっても変わるものですが、地域によって契約できない光回線も存在します。代表的でわかりやすい例でいえば「電力系」と呼ばれているプロバイダです。
例えば「フレッツ光」という光回線は中部電力系のグループの中部テレコミュニケーション(ctc)が運営しており、契約できる地域は愛知県、岐阜県、三重県(一部除く)、静岡県、長野県(一部除く)のみとなります。同じように関西電力、中国電力、四国電力など、各地域の電力会社のグループ企業によって運営されているプロバイダがあり、完全に地域限定となります。
電力系の光回線は自社プロバイダと自社回線業者(正確には同一グループ)をセットで契約できる「回線プロバイダ一体型」となっているため、全国展開されている光回線より契約もかなり楽で、月額価格が安いことが特徴です。
特に制限やデメリットもないため、ご家族がお使いのスマホキャリアがバラバラなどでスマホとセット割を使わない場合などは電力系プロバイダの契約がおすすめです。