音楽を聴くときは普段ワイヤレスイヤホンを使用している方も多いかもしれませんが「ゲームをするときにワイヤレスイヤホンを使う」って方どれくらいいますか?
今回は音楽はもちろんゲームにも特化したXROUND(エックスラウンド)のワイヤレスイヤホン「AERO TRUE WIRELESS EARBUDS」をご提供いただけたので、レビューさせていただきます。
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Bluetooth接続で低遅延と聞くとゲーミングマウスなどの製品が多いですが、低遅延のワイヤレスイヤホンを初めて手に取った感想は「遅延を感じないわけではないけど体感しにくいレベル」だと感じました。
ゲームをしない方だと“YouTubeなどで演者の口と声がずれてしまう現象”がよくわかる遅延の例かもしれませんが、そんなレベルであればまったく遅延感じさせない製品となっています。
AERO TRUE WIRELESS EARBUDS
今回ご紹介させていただく製品は台湾のオーディオメーカーXROUNDから発売されている「AERO TRUE WIRELESS EARBUDS(エアロ トゥルーワイヤレス イヤーバッズ)以下AERO Wireless」です。少し長い名前という事もあり「AERO Wireless」や「AERO TWS」なんて呼ばれ方でも浸透しています。
AERO Wirelessの特徴はなんと言っても「低遅延」なところ。
一般的なワイヤレスイヤホンの遅延は0.2秒(200ms)から0.3秒(300ms)といわれていますが、AERO Wirelessの遅延は最小値で0.05秒(50ms)となっています。
参考までに、有線イヤホンも完全な無遅延という事はなく遅延は0.03秒(30ms)程度といわれいます。AERO Wirelessは一般的なワイヤレスイヤホンよりは有線イヤホンに近い低遅延を実現した製品となっているようです。
現在は普通にAmazonなどのネット通販にて購入可能ですが、一般発売前に先行で実施されたクラウドファンディング(Makuake)では目標金額の2,825%、約1,400万円の支援金を集め大注目された製品なんです。
このイヤホン以外の過去製品「XPUMP」「AERO(有線)」などでもクラウドファンディングにて莫大な資金調達に成功しており、ここ数年で確実な信頼を実績を獲得できたメーカーであることがわかります。
専用の低遅延トランスミッターで本領を発揮
AERO Wirelessには専用のBluetoothトランスミッター「XT01(別売り)」が用意されており、Bluetooth機能を搭載していない機器にもワイヤレスイヤホンを使うことができます。
また、Bluetoothの規格が古いことや対応コーデックも遅延の原因になるため、特にBluetooth5.0未満のバージョンが搭載された機器に接続することで遅延問題を改善できるようです。
AERO WirelessとBTトランスミッターのスペック
AERO WirelessとBluetoothトランスミッターのスペック値を載せておきます。これだけでは遅延や音質がどうとかは分からないので、詳細なスペックや規格値に興味のない方は読み飛ばしていただいてもOKです。
まずはAERO Wireless本体と充電ケースのスペックです。
AERO Wireless(型番「XAW-01」) | |||
製品名 | AERO Wireless | マイク | 4合計4基・片側2基 ノイズキャンセリング+収音 |
Bluetooth | Bluetooth® 5.0 | 通信距離 | 10 m |
対応Bluetoothコーデック | SBC、AAC | 再生時間 | イヤホン本体:6時間 充電ケース24時間 |
ドライバー規格 | 6mmチタンコートドライバー | 充電ケース入力ポート | Type-C |
周波数特性 | 20~20,000Hz | 充電時間 | イヤホン:1時間 充電ケース:1時間 |
感度 | 103dB | 防塵防水等級 | イヤホン本体 IP54 ケース防水は無し |
インピーダンス | 16Ω | 重量 | イヤホン片側4.2g 充電ケース45.8g / |
ちょっと注意点なのですが、AERO Wirelessにはノイズキャンセリングマイクが搭載されていますが、つけた瞬間周りの音を消すアクティブノイズキャンセリングではありません。
イヤホンスピーカー裏のマイクは通話やボイスチャット時にこちらの声をクリアにするためのマイクとなっています。
その他の仕様についてはaptXやaptX Low Latency(aptX LL)コーデックに対応していないのは以外でした。比較的遅延が多いとされているSBC、AACでの接続での遅延が気になるところではありますが、イヤホン本体のみでも低遅延接続が可能となっています。
充電時間はイヤホン、充電ケースともに1時間となっており、バッテリー持ちも単体6時間、ケース24時間(合計30時間)とバッテリー関連は優秀です。
Bluetoothトランスミッター(型番「XT-01」) | |
Bluetooth | Bluetooth® 5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX™ / aptX™ Low Latency |
通信距離 | 15m |
入力電圧/電流 | 5V / 2A、9V / 3A |
充電ポート | Type C 充電ポート |
重量 | 5g |
Bluetoothトランスミッター「XT-01」は普通のトランスミッターよりも高性能なものとなっており、Bluetooth機能のないパソコンや任天堂SWITCHに接続する際に使用します。
標準的なコーデックをすべて搭載しており、AERO Wireless以外のワイヤレスイヤホンにも対応しているようです。(公式サポートはされていないようです。)
トランスミッターの最大接続台数は2台までとなっており、片耳ずつシェアすることで4人まで使うことができそうです。
普通の機器ではBluetooth機能を有していてもワイヤレスイヤホンは1組までしか同時再生できないので、2台同時につなげるBluetoothトランスミッターとしての需要も出てくるかもしれません。
専用アプリが超優秀&面白い
AERO WirelessはXROUND公式アプリ「My Tune」で機能を大幅にカスタマイズすることができます。
ダウンロードはこちらから
アプリ内では「ゲーミングモード」と「音楽(ミュージック)モード」の切り替えが可能となっており、ゲーミングモードでは音質の劣化もほとんどなく超低遅延で音声を再生できます。
参考
- 音楽(ミュージック)モード
→音質優先。音のバランスが良くなる。 - ゲーミングモード
低遅延優先。大きく音の違いはないが、強いて言う少し「刺さる音」に感じる。
個人的な意見ですがゲーミングモードでは「少し刺さるような音に変わっているかな?」という印象を受けました。おそらくゲーム中の足音や細かな音を聞こえやすくする調整かと思われるので音楽を聴くときはミュージックモードでOKですね。
さらにすごいのが「XROUND Lite サラウンド」と呼ばれる立体音響機能。
これをレベル2にして音楽を聴くと本当に音が立体的に聞こえるのが不思議です。僕自身、音響やサラウンド機能について詳しい訳ではないので、どういう仕組みでどういう感じの音とかの説明はむずかしいのですが、とにかく音が立体的。
アプリ内ではイヤホンの操作を割り振ることもできるので、高級メーカーに負けないくらい便利な仕様となっています。
XROUND AERO Wireless 実機レビュー
お待たせしました。搭載されている機能が多すぎてここまで4,000文字ほど書いてしまいましたが、ここからやっと実機を使ったレビューです。
化粧箱は詳しく紹介しませんが作りがしっかりしており、スライドボックスを引っ張るところでサウンド破線が動くギミックなど遊び心を取り入れた面白いデザインとなっていました。
AERO wirelessの同梱物
- AERO ワイヤレスイヤホン本体
- AERO充電ケース
- イヤーピース L/S (Mサイズは取り付け済み)
- Spinfitイヤーピース L/M/S
- Type-A to C充電ケーブル
- 取り扱い説明書
同梱物は一般的なワイヤレスイヤホンと同じような内容ですが、Spinfit製のイヤーピースのL/M/Sサイズがついていました。Spinfit製のイヤーピースは耳の中でしなやかに曲がることでフィット感を増してくれる特性がり、ちょっとした嬉しいサプライズですね(^^♪
ここから詳しくイヤホン本体と充電ケースを見ていきましょう。
イヤーピースは初めから装着されている標準のMサイズです。
イヤホンの耳に入る部分の形状はAppleのAirPods Proと形状が似ています。つけた感じもちょっと大き目なAirPods Proといった感じで装着感は悪くありません。
イヤホン本体にはノイズキャンセリングマイク下にオレンジとホワイトのランプが搭載されています。充電中やペアリング中に点灯します。
手に取ってしばらく気が付くことができなかったのですが、イヤホンとイヤホンの間にファンクションボタンがあります。このボタンでイヤホンをリセットしたりできますが、従来製品のようにペアリングでは使用しません。
AERO Wirelessはケースから出すとすぐにペアリングモードとなります。ペアリングされていても5秒間の間、機器との接続ができない場合は再度ペアリングモードとなるので、接続がかなり楽な印象を受けました。
ケース前面にはバッテリー残量がわかるLEDインジケーターが備わっているのでバッテリー管理も楽々です。
〇〇〇〇 | 100%~75% |
〇〇〇◉ | 75%~50% |
〇〇◉◉ | 50%~25% |
〇◉◉◉ | 25%~1% |
充電はType-Cポートを搭載しています。
まずはミュージックモードで動画や音楽を聴いてみる
まずは普通のワイヤレスイヤホンとして音楽やYouTube、映画やドラマなどを視聴してみました。デフォルトの音質ではいたって普通の音質で、感動があるような音質かといわれればそうではないけど普通に良い。
冒頭でも紹介した通り、アプリ内のイコライザーやサラウンド機能が超優秀で、自分の好みの音質に細かいところまで調節が可能です。
特に映画やドラマ視聴でのサラウンド機能が結構優秀で、サラウンド対応しているような最新の映像であれば登場人物の立ち位置が後ろであれば音も後ろから聞こえます。イヤホンの小さなスピーカーからどのように鳴らし分けているのかは分かりませんが、サラウンドは超楽しい。
AERO Wireless「ゲーミングモード」を試す
ここからがこの製品の本番ですね。遅延に関しては参考にならないレビューが多かったりステマなども多いため、僕が感じたままの感想を書かせていただきます。(ここまでのレビューもそうなんですねどね笑)
今回試した6パターン
- iPhoneXR+AERO Wireless
- Pixel3a+AERO Wireless
- Pixel3a+XT-01+AERO Wireless
- WindowsPC+AERO Wireless
- WindowsPC+XT-01+AERO Wireless
- 任天堂Switch+XT-01+AERO Wireless
今回はAndroidスマートフォン、iPhone、WindowsPC、任天堂Switchの4機種でトランスミッター有り無しも含めた6パターンの検証を行いました。
macOSやPS4、PS5に関しては所有しておりませんの検証はしておりません。
スマートフォンでAERO Wirelessを試す
iPhoneXR+AERO Wireless
Pixel3a+AERO Wireless
まずはコチラの2パターン。
AndroidはGoogleのPixel3aでiPhoneはiPhoneXRにて検証をしましたが、どちらも結果に差はありませんでした。端末のBluetooth設定からペアリングしゲーミングモードに変更すると明らかに遅延がなくなります。
ゲーミングモードではバトロワ系のFPSやYouTube視聴に関しては遅延を感じることができません。俗にいう「音ゲー」と呼ばれるものはあまり詳しくないので、今回は僕でも知っている「太鼓の達人」をプレイしてみました。
プレイ不可とまではいきませんが、画面を見ないで太鼓をたたくとギリギリ不可判定となります。画面を見ながらプレイすればできなくもないですが、無意識に目で追いながらタップしている感覚です。完全に音だけでの判断はちょっと厳しい…
Pixel3a+XT-01+AERO Wireless
続いてのパターンはGoogle Pixel3aに専用のトランスミッターを噛ませるつなぎ方で、本体のBluetooth設定ではなくトランスミッターのサイドボタンを押しながら接続しました。
有線イヤホンとも比較してみましたが、僕の耳では遅延を全く感じませんでした。目をつぶっても太鼓判定は「可」もしくは「良」となり、遅延よりも僕のプレイングが下手すぎて「可」を出してしまっている可能性もあり。
トランスミッターの突起がかなり邪魔になってしまうのが難点かもしれませんが、低遅延は本物です。トランスミッターの端子がType-CとなっているのでiPhoneにつなげないのが悲しいです。最新のiPadであれば接続できるかもしれませんが今回は未検証です。
PCでAERO+トランスミッターを試す
WindowsPC+AERO Wireless
続いてパソコンでの検証です。
今回使用したデスクトップパソコンには「ASRock Z270 Taichi」というハイエンド寄りのマザーボードを搭載しており、デフォルトでアンテナ付きのBluetooth機能が搭載されています。規格はBluetooth v4.0となっており最新の5.xバージョンではありませんが検証したところ遅延は感じられませんでした。
試したゲームは「APEX」と「OverWatch」ですが、どちらのゲームも銃声と同時に音が聞こえます。僕の耳で実際に聞いた感想であれば遅延がほぼないといっていいでしょう。受信側が旧世代のBluetooth規格であっても遅延がが起きない場合もあるようですね。
WindowsPC+XT-01+AERO Wireless
次は推奨されているパソコンへのつなぎ方でトランスミッターを噛ませる方法です。背面端子にType-C端子はありますが、写真が撮りやすかったのでアダプターで接続しています。どのように接続しても性能に差はありませんでしたので、旧世代のパソコンでも問題なく使用可能です。
パソコンに直接接続したときと比べると遅延は同じく感じませんでしたが、音質がかなり良くなりました。やっぱり推奨されている接続方法が一番良いってことですね。
さらにトランスミッターでパソコンに接続したときにはパソコンにつなぎつつもスマホの専用アプリを使用(併用)できるので、ゲームプレイ中での音質変更も楽に行えます。
任天堂SwitchでAERO+トランスミッター試す
任天堂Switch+XT-01+AERO Wireless
最後は任天堂Switchとの接続です。Switchへの接続では専用のトランスミッターが必須となっており、イヤホン単体では接続することはできません。トランスミッターを介してゲーミングモードで接続すれば遅延は全く感じられません。
パソコンと接続したときと同じようにスマホで音質変更ができるので、ゲームプレイ中でも細かな設定が可能です。トランスミッターを介してつながっている場合にはどんな機器とつながっていてもスマホからの音質調整が可能のようです。
AERO Wirelessと専用トランスミッターを使ってみた率直な感想
今回はAERO Wirelessをご提供いただき実際に使用してみてのレビューでしたが、低遅延のワイヤレスイヤホンってホントにすごいです。感覚としてはすべての遅延がないため、有線イヤホンを使用しているようでした。
完璧な低遅延はトランスミッターがないと実現できない部分もありましたが、スマホや接続親機のBluetooth規格次第ではまだまだ進化する余地がありそうですね。
ゲーミング用途として使わない時には、普段使いの音楽用としても癖のない音質からイコライザーで凝った音まで楽しめるため十分満足できるクオリティーですね。
国内ではAmazonが公式販売店となっているので、低遅延のワイヤレスイヤホンを使ってみたいという方はチェックしてみてください。
トランスミッターもAmazonにて購入可能です。