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レビュー

BenQ treVolo U レビュー|語学学習専用・声用スピーカーという選択肢【PR】

うえだ

今回はBenQ様より、学び(語学学習など)のために生まれた声用スピーカー「BenQ treVolo U」をご提供いただきましたのでレビューさせていただきます。

普通の音楽用のスピーカーとは特化している部分に大きな違いがあるので、評価が難しい製品ではありますが、前例の少ないちょっとマニアックなスピーカーとなります。僕自身、声専用といったスピーカーを使うのが初めてということもあり、ご提供いただいてから約2週間使い込んでみてのレビューとなります。

BenQ treVolo Uとは?

"スピーカー"と言えば想像するのは「音楽視聴用」というイメージが一般的ですが、今回ご紹介する製品は【声用スピーカー】となっており、ビデオ通話やテレワーク、オンライン会議などでの利用を想定しているようです。

「treVolo U」の価格は税込29,900円となるので、普通のスピーカーであれば高級品が買えるほどのお値段。「声専用スピーカー」としてどんな利点があるのかをお伝えできればと思います。

BenQ treVolo U のスペック


BenQ treVolo U
Bluetooth規格 Bluetooth 5.0
通信距離 10 m (障害物がない場合)
スピーカー 低音スピーカー×1
高音スピーカー×1
(+背面ウーファー?)
入力 3.5 mmオーディオジャック
Type-C USB2.0 (充電)
周波数 60Hz-20KHz
再生可能時間 約 12 時間
マイク エレクトレットコンデンサーマイク×1
全指向性環境音マイク×1
充電時間 3 時間で >80%
音声モード 音楽モード
動画学習モード
ライブ学習モード
(ボタン、もしくはアプリで切り替え)
本体サイズ 174 × 95.34 × 81.36 mm
横幅x高さx奥行き
本体重量 約760g
専用アプリ 有り

音楽向けに作られていないスピーカーですが、製品仕様を見た限りでは音楽でも十分な印象。周波数帯域も60Hz~20kHz(20,000Hz)となるので、低音域が少しだけ弱めなスピーカーの数値。普通のスピーカーとの違いはマイク周りと音声モードの変更ができる点。特に「ライブ学習モード」ではイコライザではなく再生している仕組みが通話寄りに変化します。

メーカーから頂いた資料には搭載されているスピーカーは「D」のミッドレンジドライバーとウーファーとの記載ですが、明らかに背面の「G」からも心地の良い低音を再生できています。「G」部分はパッシブボードサスペンションという名称。(後に触れます。)

BenQ treVolo U開封&実機レビュー

ご提供いただいた「BenQ treVolo U」本体の開封と実機レビューです。

開封すると、まずは充電器とケーブル類。紙でできた内箱(いまだに正式名称が分からない)の下にスピーカー本体。

本体&付属品

入っているものはシンプルですね。充電器、充電ケーブル、オーディオケーブルのみ。オーディオケーブルは4極の3.5mmジャックなので、イヤホンで通話ができるスマートフォン等であれば同じ要領で音声通話などができる仕様。長めのケーブルなどに取り換える場合は3極を選ばないように注意。

本体デザイン

BenQ treVolo U の前面。水色のメッシュは金属製となり、右端に製品ロゴ、左端にはマイクユニット。

この白枠の部分が treVolo Uの最大の特徴で、マイクに音が入る前にパラボリックデザイン(銀色の部分)で広範囲かつ音の細かなデティールまで再現可能となっています。黒い部分は人とスピーカーの距離を測るための近接センサー。スピーカーの前に物を置いていない状態で距離を測定し、最適な音量に調整することができます。

続いて側面。横から見るとわかりやすいのですが、デスクに置いたとき、斜め上方向に12度の傾斜がつけられています。12度の角度設計は、スピーカーと耳、マイクと口の自然な位置関係となるようで、意図してこのフォルムになっているみたいですね。

続いて背面。背面には低音を出すための穴が開いています。内部はパッシブボードサスペンションの構造になっており、小さな音量でも低音を大きく響かせます。

キャップをはがすと充電のためのType-Cソケットと3.5mmジャック。Bluetoothでなく有線で機器と接続する際に使用します。

操作パネル(ボタン類)

本体天面には各種ボタン類。

各ボタンの説明

  • 電源ボタン
    →2秒間の長押しで電源のON/OFF
  • Bluetoothボタン
    →2秒間長押しでBluetoothペアリングモード
  • 音量+/-ボタン
    →音量の調節・+/-同時押しでマイクミュート
  • 安心モードボタン
    →1秒間の長押しで安心モードON
  • モード変更ボタン
    →「音楽モード」「動画学習モード」「ライブ学習モード」の切り替え

電源ボタンの上側は3つのライティングでバッテリー残量をお知らせするインジケーターになっています。

再生する状況に合わせて設定できるモードについて

treVolo U で設定できるモードについての解説です。

音声モード

音声モード」は再生する音や目的によって最適なものを選択して使います。

treVolo U で使えるモード

  • 音楽モード
    →高低音どちらもクリアで音楽などを美しく再生するモード
  • 動画学習モード
    →人の声に特化しはっきり再生するモード(主に低音をカット)
  • ライブ学習モード
    →人の声がはっきり聞こえ、エコーを消すモード
    (通話用モード※マイクをONにできるのはこのモードのみ

使えるモードは全3種で、ライブ学習モード以外ではマイクを使うことができない点に注意。聞いてみた感じだと再生する音声がマイクに入らないようなスマホのスピーカー通話と同じ仕組みを採用しているよう。

安心モード

安心モード」は音の波形のような形をしているボタンを押すことで設定できる機能です。「音量調節を始めます。」という音声が再生されるとスピーカー自身が利用者との距離を測定して音量を最適な大きさに変更してくれます。

安心モードを設定する時はスピーカーの前に物を置くなどで遮ってしまうと正確に測定ができませんので注意してください。

2週間ほど BenQ treVolo U を使ってみた率直な感想

実際にiPhone、Mac、Windows、iPadにて回しながら2週間程度使ってみましたので、ここからは使用感についての感想です。

設置している場所はコロコロ変えていますが、だいたいは顔の前に来るように設置して検証しました。

ちなみに普段から使っている、音声通話対応のSONY製の2万5千円程度のスピーカーと比較しながら試していました。もちろん音楽に全振りしたようなスピーカーと音声用スピーカーでは特性が違いますが、どちらも大手メーカー製で2万円台後半ということで。

使ってみて良かった点

製品を使ってみて良かった点は以下の3点。

  • 通話が快適(イヤホンがスピーカーの形になっている感じ)
  • 長時間の動画視聴でも聞き疲れしにくい
  • 音楽の再生も意外とよかった(低音好だと評価が変わる)

順に解説します。

通話が快適(イヤホンがスピーカーの形になっている感じ)

通話はものすごく快適です。もちろん声に特化しているスピーカーとなるので快適でなくては困るのですが、特に相手に届く側の音声が良い。高級ワイヤレスイヤホンよりも綺麗に届くのはもちろん、iPadやiPhoneのスピーカー通話と同じレベルで快適に通話が可能です。

「じゃあiPhoneでいいじゃないか!」と思いがちですが、スピーカーから結構離れていても音の途切れが少なく音量も大きなままです。電話会議などをパソコンでする場合を想定すれば、高めなスマホの通話品質がマイクやヘッドホン、ヘッドセットなしで叶うので、これは快適で良いのではないかと。スマホやiPadで会議を初めてしまうとどうしてもリンクなどが送りにくかったりするので、パソコンで電話会議をたくさんするという方にとっては便利な逸品。

通話時にこちら側で再生される音に関しても良好。ただ、ZOOMLINEDiscodeなどで試してみましたが、こういった通話アプリで使われる音声はかなり圧縮された音源となるので、そもそもの音質が良くない。声にエッジを感じるようなリアリティーのある音の再生で通話ができないのが残念。この点にがスピーカーの問題ではなく通話アプリ側の仕様の問題ですね。

長時間の動画視聴でも聞き疲れしにくい

正直、僕自身はこのスピーカーのコンセプトとなっている「動画学習」や「多言語学習」などを全くしないので、 treVolo Uが発する「音」をどこで活用すればいいのか…と若干思い悩んでいたところでしたが、僕なりの使い方は「動画や映画の視聴」が最適でした。

音に迫力が少ないので、アクション映画などの低音の効果音の多い映画のみ向かない印象ですが、声が多めの動画やYouTubeの視聴には最適。中音域が強調されているので、人間の声だけボリュームが130%になっている聴き心地といえば伝わりますかかね。

動画学習モード」での動画視聴は余計な重低音がほぼカットされているので、聴き疲れも起こりにくかったです。スピーカーでの通話や動画視聴を頻繁に行う方であればこれは良い。

音楽の再生も意外とよかった(低音好だと評価が変わる可能性アリ)

「このスピーカーは音声専用スピーカーとなるので、音楽の視聴には向かないです」といったレビューや口コミが多かったように思いますが、僕は音楽を聴く用途でも大きな不満はなかったです。(僕がバカ耳の可能性も非否定できませんが。笑)

やっぱりガジェットレビュワーって音に肥えている人が多いので、意見が否定寄りになるのかもしれませんね。ただ、「音楽モード」で聴けば低音を感じられるものの重低音と言えるほどの低音は弱めです。ドンドン響かせるような曲を好む方にとっては物足りなさはあると思います。

使ってみて悪かった点

製品を使ってみて悪かった点は以下の4点。

  • 値段が高い(価値を見出せるかは利用者次第)
  • 音声コントロールの名前がよくない
  • 筐体のデザインはおろか、色も選べない

こちらも順に解説します。

値段が高い(価値を見出せるかは利用者次第)

ものすごく良い製品なのですが、冒頭でもお話しした通り値段が高い。ほとんど前例のないような「声特化のスピーカー」となるので、正直、税込29,900円がめちゃくちゃ高いかと言われると僕自身もわかりません。

今のところは類似品となるのは他社からでている会議用のスピーカーなどとなりますが、一般家庭用に作られていないので大型で価格ももっと高いです。(4万円〜6万円程度)

【一般家庭用の音声専用スピーカー】という前例がない新しいジャンルのスピーカーとなるので、今後これが流行るか廃るかは全く予想がつきません。ただ、現時点では3万円という価格で一般層には手が出しにくいというのが事実。

音声コントロールの名前が良くない

BenQ treVolo U には「アレクサ」や「Siri」、「OK Google」のように音声でコントロールできる機能がついているのですが、起動させるための掛け声は「音符ちゃん(おんぷちゃん)」

なぜこの名前なのでしょうか?非常に呼びにくい…

もちろん日本語名かつ、日常会話で同音を検出しにくいキーワードを選ぶ必要があるのでチョイスが難しいのは理解できますが、もう少し家族がいる中でも呼びやすい名前が良かった。

また、BenQ treVolo U はインターネットに接続されているわけではないので、音声コントロールで操作できるのは音量の上下、安心モードの起動、再生モードの切り替えくらいで、手が届くのであればボタン操作の方が早い。

筐体のデザインはおろか、色も選べない

個人的に大きなデメリットに感じてしまったのがデザイン。外観のデザインや質感自体が悪いとは思っていないのですが、今のところBenQ treVolo U はこのページで紹介している1モデルのみ。これよりもハイグレードなモデルや廉価版などもなく、色も水色×白の1モデルのみ。

音声コントロールの「音符ちゃん」という名称や、外観デザインからも見て取れるように、子供向けに作られている一面が強い製品となり、いわゆる「ガジェット」として刺さる層が極めて限定的。

ここはかなり個人的な好みが出てしまうのですが、僕自身が使っているデスクにガジェットとして溶け込めるかと言われれば答えは「NO寄り」。黒、白、グレーなどの色展開であればどんなデスクにも馴染むと思うのですが、デザインに関しては今後の展開に期待です。

BenQ treVolo U は特定層には刺さる可能性

今回はメーカー様からのご提供、かつ「使ってみた感想を正直にレビューしてください」という事でしたが、かなり意見の分かれる製品だと感じました。価格も約3万円となるので、"誰にでもおすすめできる製品"という訳でもありません。

ただ、スマホでスピーカー通話をする感覚(再生音質&相手に届く音質)をそのままパソコンにもってこれる感覚があるので、リモートワークやWEB会議に使う用途に関しては強い武器になる可能性があります。

パソコンを使って会話するというシーンが日常的にある方は試す価値アリです。

---ここで記事内容は終わりです。---


  • この記事を書いた人

うえだ

PCやスマホ(主にハードウェア周り)が大好きです。このサイトではパソコンの使い方や選び方などの解説をしています。最新の技術やAI、テクノロジーにも興味関心があり、運営しているサイト内で最新のデバイスを検証・レビューを行っています。