デスクトップ?ノートパソコン?
どちらが良いの?
こんなことを思った方多いのではないでしょうか?
パソコンには主に『デスクトップ(箱)型』と『ノート(薄)型』の2種類に分かることができます。
どちらにもメリットデメリットがあり、用途によって購入するパソコンの形状が変わることもあります。単なる形状の違いだけではないので、各々の特徴を知っておくことでパソコンを選んだ後に後悔しにくくなります。
僕は仕事上、ノートパソコンとデスクトップパソコンの両方が必ず必要な場合ができてしまうため、両者の良い点、悪い点を見ながらパソコンを使っています。
少し趣旨は違ってくるかもしれませんが、『一体型パソコン』についても最後に少しだけ紹介します。
皆様のパソコン選びの参考になれば幸いです。
ノートパソコン
皆さんが『パソコン』と聞いてまず思い浮かべるのはノートパソコンではないでしょうか?
手軽に扱えるノートパソコンは世帯あたりの普及率が67%(2020年現在)となっており、デスクトップパソコンの24%と大きく差をつけています。
ノートパソコンのメリット
まずはノートパソコンのメリットをご紹介します。すでに知っている情報が多いかもしれませんね。
手軽に使えるノートパソコンはこんなメリットがあるんです。
バッテリー駆動で持ち運べる
何といっても言ってもノートパソコン最大の利点が『持ち運べる』というところです。すべてのノートパソコンにはバッテリーが搭載されており、電源がなくとも使用可能です。
出先でパソコンを使わなければならない仕事や、大学生の方なんかはノートパソコンは必須です。
自宅でもスペースを取らない
ノートパソコンが普及している一番の理由がこれかもしれません。
どこにおいてもスペースをほとんどとることなく、邪魔だと思えば折り畳んで収納することができます。
オールインワン(付属品要らず)
世間一般ではノートパソコンのように『使える状態』をパソコンと呼んでいますが、本来パソコンと呼ばれる部分は動作に必要な演算をする装置単体のことを指しています。
ノートパソコンが世に出る前はデスクトップパソコンが一般的で、モニターやマウス、キーボードなどの入出力デバイスは別物扱いでした。
しかし、ノートパソコンはすべてが一体となり、ノートパソコン本体、充電ケーブルさえあればすぐに使える超便利な物なんです。パソコンを使うのに付属品が一切要らないってすごいことなんですよ!
操作感に関してはタッチパッドよりもマウスが良いなどの意見はありますが基本的な操作はノートパソコン単体で可能です。
超省電力
バッテリー稼働を前提として設計されているノートパソコンは基本的に省電力です。
小さいノートパソコンなのでバッテリー搭載容量にも限りがあります。ノートパソコンを重くしてバッテリーを大きくすることもできますが、最近のメーカーは『軽量化』に力を入れているメーカーが多い印象です。
大きなバッテリーが搭載できないとなると、消費電力を最小まで抑えて長時間駆動を可能としなければなりません。
故に電気代もほとんどかかりません。最近のノートパソコンは超薄型なのに10時間も電池が切れないものが多く作られているのでびっくりです。
パソコンの電気代については1日あたり8時間で1ヶ月パソコンを使用したとすると、
- ゲーミングPC:1,469円
- 普通のパソコン:528円
- ノートパソコン:278円
およその目安ですが、このような結果となっています。
ノートパソコンのデメリット
便利なノートパソコンですが、実はデメリットも多く抱えているんです。
デスクトップパソコンを使ったことがない人や、パソコンを引かうしたことがない人にとっては少し気が付きにくい点かもしれません。
性能あたりの価格が高額(コスパ✖)
ノートパソコンはコスパが悪いです。
『パソコンなんて形だけでどれも同じでしょ!』という認識もあるようですが、ノートパソコンは構造上、製造コストがかかりすぎてしまうんです。
その理由としては小ささです。パソコンに必要な部品ってどれくらいあるか知ってますか?
パソコンに必要な部品
- CPU(プロセッサー)
- CPUクーラー
- メモリ(RAM)
- ストレージ(ROM・記憶装置)
- マザーボード(メイン基板)
- 電源
- ケース(外装)
- ディスプレイ
- マウス(タッチパッド)
- キーボード
- 光学ドライブ
- スピーカー
- WEBカメラ
まだまだあります。
多くの部品を薄い板状のケースに詰め込んでいるのですから、膨大な技術が投入されています。薄い筐体にパソコンパーツを隙間なく詰め込む設計やパーツの小型化などで開発費用が製造コストが跳ね上がってしまうんです。
単純な部品代にメーカーの技術料が上乗せされてノートパソコンの値段になってます。デスクトップパソコンと比べたら2倍近くする!なんてこともザラにあるんです。
パソコンパーツの使いまわしができるデスクトップパソコンとは違って、ノートパソコンの内部パーツはほとんどがオーダーメイドでその機種でしか使えません。
一般的にはノートパソコンとデスクトップパソコンの価格に対する性能比はこのくらいです。
10万円のデスクトップパソコン
≒
20~25万円のノートパソコン
結構差がついてしまいましたね。
ノートパソコンって価格に対しての性能が低いんです。
構造上スペックがイマイチ
先ほどのコスパが悪いという内容に繋がってくるのですが、ノートパソコンはデスクトップパソコンほどの性能を出すことができません。
価格比で言えば、デスクトップパソコンで30万円レベルの性能をノートパソコンで実現するには60~75万円かければいのでは?という考えを持った方もいるかと思います。
しかし、お金をかければいいという問題ではなく、現在の技術で高スペックすぎるノートパソコンを作ることはできません。
以下が同世代のノートパソコン版とデスクトップパソコン版のCPUの比較です。
同世代CPU比較 | デスクトップ版 | ノート版 |
名称 | Core™ i7-10700 | Core™ i7-10610U |
ベースクロック | 2.90 GHz | 1.80 GHz |
コア数 | 8コア | 4コア |
スレッド数 | 16スレッド | 8スレッド |
キャッシュ | 16MB | 8MB |
最大メモリサイズ | 128GB | 64GB |
消費電力≒発熱(TDP) | 65W | 10W |
発売日 | Q2'20(2020年4~6月) | Q2'20(2020年4~6月) |
希望カスタマー価格 | $323.00 - $335.00 | $409.00 |
全く同時期にIntelから発売されたCPUですが、ノートパソコン用とデスクトップパソコン用でここまで性能が変わってしまいます。
基本的にはノート用のCPUのほうが低消費電力で発熱が少ないという特徴がありますが、その他すべての項目でデスクトップ用のCPUに負けています。
性能が高くなれば、それに伴い熱が発生します。高性能=重い処理=高熱となってしまうので、ノートパソコンは重い処理には向いていないということになります。薄型のため、高温を処理する大型のCPUクーラーは搭載不可能です。
ちなみにハイスペックCPUをクーラーなしで高負荷稼働させると120℃くらいまで上がってしまいます。100℃以上で稼働させると比喩ではなく本当に煙が出て火が付きます。
ノート用は性能は低いのに価格も高いですね。
- ノートパソコンのCPUはできるだけ発熱を抑えた設計でできるだけ高性能に調整し尽くされているから高額になってしまいます。
- デスクトップのCPUは高性能で爆熱!でもパソコンが大きいからたくさん冷やして性能をできるだけ上げる方式で少し安価に作れます。
こんな理由からノートパソコンは構造上、超高スペックにはできないんです。
カスタマイズができない
パソコンはパーツの交換や増設を行うことで性能を向上させたり機能を追加することができます。
しかし、ノートパソコンはカスタマイズ性に欠けています。
デスクトップパソコンであれば、ほぼすべてのパーツを交換することができますが、ノートパソコンの場合、メモリ、ストレージくらいしか交換することができません。
さらに世代を重ねるごとにノートパソコンは薄型化しており、メモリやストレージが基板一体型となっている機種はカスタマイズが一切できません。
また、ノートパソコンは一度分解してしまうとメーカー保証がなくなってしまうケースが多く、そもそも分解やカスタマイズが推奨されていません。
デスクトップパソコン
ここからはデスクトップパソコンのメリットとデメリットです。皆さんが想像する『ボックス型パソコン』ですね。パソコンヘビーユーザーは間違いなくデスクトップパソコンが向いています。
デスクトップパソコンのメリット
デスクトップパソコンのメリットです。大きなパソコンですが、ノートパソコンしか使ったことがないという方はメリットに気が付いていないかもしれません。
デスクトップパソコンは一般家庭の普及率が低いですが、トップクリエイターや流行りのYouTuber(ユーチューバー)の所有率が圧倒的に高いです。
性能あたりの価格が安い(コスパ〇)
デスクトップパソコンは安くて高性能!コストパフォーマンスは最高です。
デスクトップパソコンはノートパソコンのように構造が複雑化しておらず、基本的には既製品パーツを組み合わせるだけという単純な構造でパソコンができています。
故に自作パソコンやBTO(半自作)パソコンが可能であり、素人でも簡単にパソコンを制作することができるくらい簡単な構造です。
BTOパソコンは組み立て委託のような感じですが、オーダーメイドでパソコンの購入しても【パーツ料金+組み立て手数料10,000円~】ほどの値段でできてしまうため、値段が上がりにくい傾向にあります。
自分でカスタマイズ可能
ほぼすべてのデスクトップパソコンはパーツの交換や増設を行うことで性能を向上させたり機能を追加することができます。
- パーツ交換や増設で処理性能を上げる
- やりたいゲームにパソコンを対応させる
- 使いやすいキーボードやマウスを揃える
- CD・DVD・Blu-rayドライブを付ける
- Wi-FiやBluetoothに対応させる
- 好きなサイズのモニターを選ぶ
好きな機能を追加することができ、同じように好きな機能を削除することもできます。
パソコンでDVDを見ない人にとっては『CD・DVD・Blu-rayドライブ』は必要ないので取り付けない。そうすることでパソコン本体の料金も少し安くすることができますね。
また、デスクトップパソコンは分解やカスタマイズを容認されているものも多く、メーカーのほうから『性能不足になってしまったらパーツを増設してください』というアナウンスがある場合もあるんです。
分解によって故障してしまっても保証が受けられたり、保証が切れてしまっている場合でも故障したパーツを交換すればいいだけなので修理も簡単です。
どこまでも性能を上げられる
どこまでも性能を上げられると言ってしまうと少し語弊があるかもしれませんが、一般販売されているパーツでいわゆる『フルスペックパソコン』というものを作ってしまえばどんな用途でも『最強』なパソコンになります。
基本的にはデスクトップパソコンの最高性能をノートパソコンで出すことは構造上不可能です。
同世代CPU比較 | デスクトップ版 | ノート版 |
名称 | Core™ i7-10700 | Core™ i7-10610U |
ベースクロック | 2.90 GHz | 1.80 GHz |
コア数 | 8コア | 4コア |
スレッド数 | 16スレッド | 8スレッド |
キャッシュ | 16MB | 8MB |
最大メモリサイズ | 128GB | 64GB |
消費電力≒発熱(TDP) | 65W | 10W |
発売日 | Q2'20(2020年4~6月) | Q2'20(2020年4~6月) |
希望カスタマー価格 | $323.00 - $335.00 | $409.00 |
先ほど出したCPUのスペック表を見る限りでも判断できますが、デスクトップパソコン用のパーツはノートパソコン用と比較すると性能が段違いに高いです。
パソコンのパーツは高スペックであればあるほど多くの熱が発生し、高性能なクーラーで熱を排出しなければなりません。
デスクトップパソコンには大きなクーラーを搭載できるためパーツのスペックを高く保つことができ、結果的にパソコン全体の性能がノートパソコンよりも格段に高くなっているんです。
搭載パーツ次第でどんな用途でもバリバリ動いてくれるパソコンになってくれます。
パソコン使用時の疲労感が少ない
デスクトップパソコンは大きなモニターが目の前にある状態でパソコンを使用できるので、パソコンでの作業時の疲労感を少なく抑えることができます。
ノートパソコンだと、うつむいたような体勢が長時間続くことが多く、疲労感や猫背の原因となってしまいます。
使っている机や椅子、モニターの大きさや角度によって変わってくるので、デスクトップパソコンで作業環境を構築してしまえば疲れを最小限にして仕事や趣味に打ち込むことができます。
デスクトップパソコンのデメリット
最強のスペックとコスパを誇るデスクトップパソコンではありますが、大きな欠点も抱えています。
デカい・重い。持ち運びは不可能
パソコンの構造上『持ち運んで出先で使用する』という事は不可能です。本体が大きすぎるため、パソコン購入時や引っ越しの時くらいしか動かすことすらありません。
また、バッテリーを搭載しておらず、電源供給のない場所では使用することができません。
家や会社でドシっと構えて仕事や作業をするには最適な形のパソコンですが、取り回しの悪さがダイレクトに普及率の低さにつながっていると考えられます。
設置スペースが大きい
小さい物であれば簡易的にテレビなどと接続して使用することができますが、パソコンとしてがっつり使い込みたい場合はそのようにはいきません。
デスクトップパソコンを自宅に設置するにはパソコンデスクが必須です。
パソコンデスクやモニター・キーボード設置場所を確保すると自宅の中のスペースを大きく占有してしまいます。ワンルームに住んでいる場合などはデスクトップパソコンの設置が難しいです。理想はパソコン専用の部屋を作ってしまうことですが、それもなかなか難しいですよね。
最低でも畳一枚分ほどのスペース確保が必須です。
周辺機器がが必要
デスクトップパソコンはパソコン単体では動作させることができません。コンセントにつないだだけではただの箱にすぎません。
デスクトップパソコンに必要な周辺機器
モニター・キーボード・マウス
動作させるには最低限必要な周辺機器たちです。これらがないとパソコンとして成り立ちません。これらの役割を持った部品が内部に組み込まれているノートパソコンのすごさを改めて実感します。
そのほかにもスピーカー・WEBカメラ・無線アダプタなども標準搭載していない場合がほとんどなので、必要に応じて追加購入することもあります。
これらの周辺機器にこだわりを持っている人が多く『自分で揃える楽しみ』があることも事実ですが、パソコンの手軽さという観点から見た場合にはデメリットとなってしまいます。
消費電力が多い
先ほどノートパソコンは省電力で電気代が安いというお話をしましたが、デスクトップパソコンは全くの逆です。もう一度同じ内容を転載します。
パソコンの電気代については1日あたり8時間で1ヶ月パソコンを使用したとすると、
- ゲーミングPC:1,469円
- 普通のパソコン:528円
- ノートパソコン:278円
およその目安ですが、このような結果となっています。
ゲーミングパソコンや動画編集パソコンであればフル稼働時の電気代がエアコンを超えているなんてこともあります。
しかし、パソコンの電源をつけていてもゲームをしていなかったり、重い処理をしていない時には消費電力が少ないことが一般的です。その時の処理負担に比例して消費電力が変わります。
一体型パソコンって何?メリットは?
パソコンの中にはデスクトップパソコンに分類される『ディスプレイ一体型パソコン』があります。家電量販店に展示してあるものを1度は見たことがあるかと思います。
»デスクトップ型は『ディスプレイ一体型』をおすすめしない5つの理由
という記事内で解説していますが、メリットに対してのデメリットが多すぎます。
特別な理由がない限り購入はお勧めできません。
ノートパソコンはこんな人におすすめ!
ノートパソコンはこんな人におすすめです。
- パソコン初心者の人
- パソコンを持ち歩かなければいけない人
- カフェやワーキングスペースを常用している人
- パソコンを設置するスペースが自宅に確保できない人
ノートパソコンはバッテリーを搭載しており、1~2㎏とコンパクトであるため、『持ち運び』を重視する人はノートパソコン一択になります。
また、自宅内でパソコンを使う際にも自由な移動が可能であるため『作業中に気分を変えたい!』なんて人にもノートパソコンはお勧めです。
デスクトップパソコンはこんな人におすすめ!
デスクトップパソコンはこんな人におすすめです。
- いつも自宅で作業する人
- 自分でパソコンをカスタムしたい人
- 安価で高性能パソコンを手に入れたい人
- 高品質3Dゲームをパソコンでやりたい人
- 高性能でプロフェッショナルな環境を求めている人
デスクトップパソコンはパソコン上級者や自宅にプロフェッショナルなパソコン環境を構築したいにおすすめです。
ノートパソコンでは実現できない高い処理性能を使って多くの仕事をサクサクこなすことができます。
また、パソコン初心者の方でもパソコン本体に興味があったり、高性能のパソコンをノートパソコンよりも安くほしいという方であればデスクトップ型パソコンの購入を検討してもいいかもしれません。
自宅にパソコンを設置するスペースがない人は購入をおすすめしません。
ノートパソコンとデスクトップパソコンの選び方まとめ
このページではノートパソコンとデスクトップパソコンのメリットやデメリット、選び方などを紹介させていただきました。
パソコンにはいろんな形があって、どれを選んだらいいのかわからない!というお悩みを少しでも解決できていれば幸いです。