一度でも中古パソコンを検討したことがある方であればこのようなことを思ったことありませんか?
よく聞く疑問
- パソコンって新品で買うと10万円以上するし中古じゃダメなの?
- 中古パソコンは性能が低いって聞いたけど実際はどうなの?
- 買うとなったら何を基準にして選べばいいの?

結論から申しますと、中古のパソコンは悪くないです。
むしろ選び方さえ間違えなければコスパ最高だと思っており、パソコンを生業にしている僕でも購入するパソコンの6割ほどは中古パソコンだったりします。
中古パソコンの基本的な選び方や信頼できるショップ一覧は以下のページで解説していますので、参考にしていただければと思います。
-
中古パソコンを買うならどこ?保証付きのおすすめショップ7選と買う場所の選び方を解説。
ノートパソコン、デスクトップパソコン問わず、パソコンは高価なもの。新品でパソコンを購入するとなれば結構な費用がかかってしまうので、中古のパソコンも選択肢に入れておくことをおすすめしています。 よくある印象として中古品は悪い、汚い、性能が低いなどのマイナスイメージが付いてしまいがちですが「中古のパソコ ...
続きを見る
中古パソコンは知人の代理も含めると僕自身30台以上中古のパソコンを買っていると思いますが、僕が中古パソコンを選ぶ時と同じ基準の選び方を解説をさせていただきます。
中古パソコンのスペックの選び方
さて、本題の中古パソコンを「スペック」でみたときの選び方ですが、絶対に抑えておきたいのは以下の3つのポイントです。
中古PC選びで絶対確認するポイント!
- CPUの種類と世代(年代)
- メモリの容量
- ストレージの種類と容量
パソコンを選ぶうえではディスプレイサイズやキーボードのうち打ちやすさ、光学ドライブの有無、USBやカードスロットの数・種類など、選ばなければいけない要素はたくさんありますが、これらは購入後でもなんとかなります。

お好きなキーボードや大画面ディスプレイをつなぐことでノートパソコンをデスクトップパソコンのように使うこともできます。(≒Macのクラムシェルモード)
しかし、CPU(プロセッサー)やメモリ、ストレージなどは
原則交換ができません。
パソコン玄人であれば分解を伴うバーツ交換で対応できる場合がありますが、中古パソコンの場合も分解した時点で保証が完全になくなってしまうため、分解を伴うカスタムはおすすめはできません。
また、旧世代のパソコンをせっかく安く購入できた場合でも、「カスタムを含めたら新品を買える値段をつぎ込んでいた!」なんてことにもなりかねないので、初めにきっちり性能を確認してからの購入を推奨します。
今でもサクサク動くおすすめスペックはコレ!
解説の前に少しネタバレですが、中古パソコンでおすすめできるスペックは以下の条件を満たしているモデルを推奨しています。
中古パソコンのおすすめスペック! | |
---|---|
CPU(プロセッサー) | 第4世代以降のIntel core i3 もしくは i5 以上 |
RAM(メモリ) | 最低4GB、理想は8GB |
ROM(ストレージ・保存領域) | HDDではなくSSD必須 120GB以上 |

と感じてしまった方もご安心ください!
少し難しい表記ですが、すべて解説しますのでご安心ください。この表だけをみて「わかる!」という方はこちらのページで中古パソコンを選んでみてください。
それではCPU(プロセッサー)から順に解説します。
現役世代から旧世代までのCPUの選び方
まずはCPU(プロセッサー)ですが、ここが一番大事です。
新製品ではなく中古パソコンを選ぶ場合にはCPUの性能(Core i5 i7 など)に加え“年代(古さ)”も考慮する必要があります。
CeleronやPentiumは選ばないのが無難!Core i3以上!
『パソコンの脳みそ』ともいわれているパーツで、高性能であればあるほどあらゆる処理を効率よく速くこなせます。
今まではIntel製CPUが断トツのシェアを獲得していましたが、2019年後半からは勢力図が一転し、AMD製CPUであるRyzen(ライゼン)シリーズなどがシェアを伸ばしてきました。
現行機種ではIntel(インテル)製CPUとAMD(エーエムディー)製のどちらかが搭載されています。

そして各々の性能はこんな感じ。
Intel | AMD | 性能評価 |
---|---|---|
Core i9 | Ryzen9 | |
Core i7 | Ryzen7 | |
Core i5 | Ryzen5 | |
Core i3 | Ryzen3 | |
CoreM | - | 【Core i○】の下位シリーズ |
Pentium | Athlon | |
Celeron | A-Series | |
Atom | - |
当サイトでも多数の相談をいただきましたが、『パソコンの動作が遅い!』という方のパソコンを診断したところ、8割以上の方がIntelの下位グレードであるPentiumやCeleronを搭載したパソコンを使っていることが分かりました。
『PentiumやCeleronは事務用途や趣味であれば十分な性能を持っています。』という説明を受けた方も多いかもしれませんが、全くそうではありません。
保存データが多くなってきたり、重いソフトを動作させる際にCPU(プロセッサー)に十分な性能がないとパソコン全体の動きがカクカクになってしまいます。
CPU選びのポイント!
中古で購入したパソコンをできるだけ長持ちさせたい場合には最低でもRyzen3やcore i3以上のCPUを搭載した物を選ぶようにしてください。
さらに、仕事、趣味問わず毎日パソコンを使うようであればRyzen5やcore i5を搭載しているパソコンをおすすめします。
CoreシリーズでもCPUの世代は要確認!!(最重要)
新品のパソコンであれば注意する必要のない部分となりますが、中古のパソコンを購入する時のみ「CPUの世代」に気を付ける必要があります。
基本的にはCPUの世代=パソコンが作られた年である可能性が高いので、古すぎるパソコンを避けるために確認せねばなりません。

中古パソコンでもテキトーに選んでしまうと使い物にならない場合があるので、ある程度新しめのパソコンを選ぶことをおすすめします。
そこで簡単に確認できるように、ザックリとCPUの年代を確認できる表を作成しました。(スマホの方は横にスライドしてみてください。)
CPUの名前 | 世代 | 開発コード名 | 発表・発売時期 |
---|---|---|---|
Core i5 430Mなど | 第1世代 | Nehalem Westmere | 2010年ごろ |
Core i5 2430Mなど | 第2世代 | Sandy Bridge | 2011年ごろ |
Core i5 3320Mなど | 第3世代 | Ivy Bridge | 2012年ごろ |
Core i5 4200Mなど | 第4世代 | Haswell Haswell-Refresh | 2013年ごろ |
Core i5 5350Uなど | 第5世代 | Broadwell | 2014年ごろ |
Core i5 6300Uなど | 第6世代 | Skylake | 2015年ごろ |
Core i5 7360Uなど | 第7世代 | Kaby Lake | 2016年ごろ |
Core i5 8257Uなど | 第8世代 | Coffee Lake Coffee Lake-Refresh | 2017年ごろ |
Core i5 9300Hなど | 第9世代 | Cannon Lake | 2018年ごろ |
Core i5 10210Yなど | 第10世代 | Ice Lake Comet Lake | 2019年ごろ |
Core i5-11300Hなど | 第11世代 | Tiger Lake Rocket Lake | 2020年ごろ |
例えば『Core i5 8257U』だと数字が4桁(10世代以降は5桁)で先頭数字は8となっており、第8世代のIntelCPUでパソコンの発売時期は2017年ごろだということがわかります。
世代判別に関しては末尾英字(H、Y、Uなど)は気にしなくても大丈夫です。
今回は分りやすいようにIntel Core i5で揃えましたがIntel Core i3 i5 i7 すべてにおいてCPUネームの数字で判断することができます。

『Core i5-1038NG7』など、先ほどの表に当てはまらないパターンの場合は直接型番を検索してインテルのデータシートで確認することができます。
『Core i5-1038NG7』の場合はインテルのデータシートから第10世代 (Ice Lake) で発売時期が2020年の4月、5月、6月あたりということが確認できます。
この場合、中古でこのCPUが搭載されているパソコンを発見した場合2020年後半あたりに発売されているパソコンだということになりますね。

ここは個人的な意見も混ざってしまうのですが、僕の場合だったらこのように判断します。
買ってもいい中古PCは?
- パソコンの耐久年数なども加味して第3世代以前のパソコンは選ばないほうが無難。
(=2012年以前のパソコン) - さらには仕事や大事な場面で使うパソコンは第6世代以降をおすすめします。
(=2015年以降のパソコン) - 最新OSのWindows11を使いたいのであれば第8世代以降のCPUを搭載したパソコンが必須。
(=2017年以降のパソコン)
もちろん第3世代以前のパソコンでも動くには動きますが、性能はもちろん劣化度合なども気になります。
中古市場では10年前以上のパソコンが売られている場合もありますので、中古のパソコンを発見したら『CPUの型番を見る→製造年を割り出す』といった流れで確認をしてみましょう。

さらに、最新のOSであるWindows11を使ってみたいのであれば、Intel第8世代以降のCPUが搭載されているパソコンを選びましょう。Windows11のアップグレードはパソコンに第8世代CPUが搭載されていることが必須条件で、どんなに性能が高くても第7世代以前をのものはアップグレードできません。
メモリサイズはどれくらい必要?
メモリはストレージよりも高速な記憶スペースではありますが、データを保存するのではなく、作業中や処理中のデータが一時保存される場所です。メモリが多ければ多いほど同時に展開できるソフトが増え、より重いソフトを扱うことができます。

ポイント
少し前までのノートパソコンのメモリは4GBが主流でしたが
現在は8GB以上のモデルが主流となっています。
長く使うことを考えれば現行モデルのスタンダートクラスでの8GBモデルを選んでおくのがベストです。
軽作業用や動画を見るだけといったライトな使い方であれば割り切って4GB搭載モデルを選ぶのも正解かもしれませんが、後々性能が欲しくなってしまうことが多いため、余裕を持った選択をおすすめします。
一口にメモリといっても厳密には世代や動作周波数などの違いがありますが、性能差は体感できるほどはありません。
ストレージ(保存領域)の種類、容量は?
ストレージ(ROM)はデータやOS(Windows10)などを保存しておく場所です。
容量が少なすぎると足りなくなってしまうことはもちろん、ストレージの種類でもパソコンの速度(体感上の性能差)が大きく変わります。→コレほんとに変わる。
まずはHDDではなくSSD搭載が絶対条件
パソコンのストレージは大きく分けて「HDD」「SSD」「eMMC」の3種類に分けることができますが、どんな場合でも『SSD搭載モデル』を選ぶことをおすすめします。

-
【2020年比較検証】SSDとHDDの違いは?SSD非搭載のパソコンではあらゆるソフトの快適動作が困難です。
パソコンを使う上で欠かせない物の1つとして、様々なデータを保存しておく『外部記憶装置』があります。現在ではUSBメモリ、SDカードが主流で、ひと昔前まではCD-ROMやフロッピーディスクなどが用いられてきました。 現在、パソコンの内部にデータを保存するメインの外部記憶装置として活用されている『メイン ...
続きを見る

左:SSD 右:HDD
詳しくはこちらのページで解説をしていますが、WindowsOSなどを読み込む時などに重要な「ランダムアクセス」のスコアが50~300倍ほど変わります。
WindowsOSやアプリケーションなどは単体ファイルではなく多くのプログラムファイルを同時に読み込むので、ランダムアクセススコアが低いとその分起動に時間がかかってしまうんです。

SSDにも2.5インチSSDやM.2SSDなど多くの種類がありますが、“SSD搭載”であれば体感できるほどの速度差は出ないのでどの種類でも問題ありません。
ストレージ容量は最低120GB

これに関しては中古のパソコンに限ったことではありませんが、ノートパソコンのストレージ容量の目安は120GB以上が望ましいとされています。
64GBでは容量不足となるケースが多く
32GBに関してはパソコンとして常用するのに難ありです。
基本的にSSDを含んだすべての記録メディアは表記されている容量の92~93%ほどの容量しか使うことができず、64GB搭載モデルでも実際に使用できる容量は58GB前後となります。
そこにWindows10(15~20GB程度)や必要なソフトなどを追加すると空き容量が30GB前後となってしまうことも珍しくありません。
さらにソフトを入れたり写真や書類の保存をする場合、保存容量が少なすぎてパソコンとしては使いにくいものとなってしまうので、少なくとも120GB以上を購入しておくことをおすすめします。

逆にiPhoneなどのバックアップに使いたい場合には120GBでも足りません。iPhoneの容量以上のストレージを搭載したパソコンを選びましょう。
賢く選べば中古パソコンはコスパ最高!
もう一度、旧世代のパソコンを中古として購入する際のポイントをまとめておきます。
中古パソコンのおすすめスペック! | |
---|---|
CPU(プロセッサー) | 第4世代以降のIntel core i3 もしくは i5 以上 |
RAM(メモリ) | 最低4GB、理想は8GB |
ROM(ストレージ・保存領域) | HDDではなくSSD必須 120GB以上 |

ここまでの性能を兼ね備えたパソコンであれば動画編集などのクリエイター向け用途以外であれば旧世代でも十分に使えるケースが多いです。さらには上記の表のスペックであれば2万円台から探せるショップをこちらのページにランキング形式まとめています。
-
中古パソコンを買うならどこ?保証付きのおすすめショップ7選と買う場所の選び方を解説。
ノートパソコン、デスクトップパソコン問わず、パソコンは高価なもの。新品でパソコンを購入するとなれば結構な費用がかかってしまうので、中古のパソコンも選択肢に入れておくことをおすすめしています。 よくある印象として中古品は悪い、汚い、性能が低いなどのマイナスイメージが付いてしまいがちですが「中古のパソコ ...
続きを見る
ちなみにこのサイトを運営している僕も購入した台数で言うと新品よりも中古パソコンの購入台数のほうが多いです。笑
もちろん経済的に余裕がある場合には新品のパソコンを購入するのが一番かもしれませんが、中古のパソコンも視野に入れておけば賢い選択ができるかもしれませんよ!